2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500712
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤平 眞紀子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (90346304)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 維持管理 / 伝統的木造住宅 / 土間の温湿度 / 木部の傷み / 補修 / 改修 |
Research Abstract |
T街道における伝統的木造住宅の維持管理の現状と課題について検討した。今年度は、住宅部材が使用されている周囲の温湿度環境を把握し、暮らし方や維持管理の仕方とのかかわりを検討した。また、大工を対象として、伝統的木造住宅の補修や改修についてヒアリング調査を行った。 本調査対象地域において、梅雨から9月下旬まで、土間付近では温度、相対湿度とも高い状態が続きやすく、湿性カビの生育範囲に入る割合が高い傾向がみられた。特に9月に台風が通過した後もしばらくは相対湿度が高い状態が続いていた。また、柱材の含水率測定より、土間中央部の柱材の脚部で含水率が高い傾向がみられた。これらの結果は空き家で顕著であった。これらのことから、本調査対象地域において、梅雨から9月下旬まで土間からの湿気を排除するよう換気を心がけることが重要である。現在の居住者は経験的に換気の重要性を認識しているが、家族構成の変化や居住様式の変化、さらに防犯の面などから、土間まわりが閉め切られることも増えてきており、意識的な換気、特に5月および10月の外気が乾燥している時期の換気が求められる。 また、町内で多くの住宅建築および街道筋で改修工事を行った経験をもつ大工へのヒアリングより、住宅建築において柱の脚部と屋根を重視し、構造部の材料選びや施工に特に気をつけていること、伝統的な様式については、住み手の希望をきき時代に合わせて変化しながら、共存していくことを心がけていることがわかった。 伝統的木造住宅の維持管理において、日常的には土間からの湿気を排除することが、また補修や改修において、伝統的な様式の継承とともに、現代において住み手が住みやすい環境を整えていくことも重要である。居住者の高齢化や同居家族の減少、大工各種職人の減少、経済的な負担などに対応しつつ、伝統的木造住宅を維持および継承していくことが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)