2012 Fiscal Year Annual Research Report
人と環境にやさしい衣生活の再生―身近にある素材を活用した色彩環境の構築―
Project/Area Number |
22500713
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
前川 昌子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (90144633)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境 / 衣生活 / 植物色素 / 色彩 / サトウキビ / 紅茶 |
Research Abstract |
身近にある素材を活用して環境負荷の小さい色彩環境を構築するために、これまで行ったタマネギ外皮および柿タンニンを用いた染色に加えて、本年度はさとうきびの葉を用いた緑色染色の可能性と紅茶を用いた染色について検討した。 サトウキビの葉を用いた羊毛布の緑色染色では、さとうきびの生葉と乾燥葉を用いて染色を行い、それらの染色性を硫酸銅による媒染効果と関連付けて検討した。その結果、さとうきびの葉に含まれるトリシンおよびジオスメチンと硫酸銅との錯体形成がさとうきび染色布に緑味を与えることへの寄与は小さいと考えられた。サトウキビの葉の用量を増すことにより染色布の黄色度が増し、一方、銅イオン濃度の増加によって緑味が増した。このことから銅媒染により羊毛布が青く着色されることにより黄味と加味されて緑色を呈したと推測された。HPLCによる抽出液の分離は明確ではなかった。 また、紅茶を用いた染色について、染色条件の検討と染色堅牢度試験を行い、次のような知見を得た。すなわち、色素の抽出時間は20分で吸光度がほぼ一定となる。また、葉の用量については使用量の増大とともに、500nmより短波長でのK/S値が増し、黄味が増大する。また、染色時間の増大とともに、500nmより短波長域でのK/S値が増し、赤味、黄味も増大する。ミョウバンおよび木酢酸鉄を用いた媒染の影響について、Al媒染では、無媒染と比べて目立った変化は見られなかった。一方、Fe媒染では、無媒染と比べて、赤味、黄味ともに減少し、彩度が低下した。染色布の染色堅牢性については、耐光堅牢度・洗濯堅牢度の変退色ならびにFe媒染した絹布の摩擦堅牢度が良好ではなかった。これらについてはさらに染色条件の検討が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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