2010 Fiscal Year Annual Research Report
生活の場としての児童養護施設・自立援助ホームの空間計画の課題とそのあり方
Project/Area Number |
22500714
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
今井 範子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30031719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 唯 奈良女子大学, 人間文化研究科, 助教 (20321325)
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Keywords | 児童養護施設計画 / 生活の場 / 幼児・児童 / 小舎制 / ケア単位 / ユニット構成 / 用途転用 / 生活様態 |
Research Abstract |
1.自立援助ホームに関する調査について、運営者を対象とした全国調査(全62ホームを対象に質問紙調査・聴き取り調査)と、ホーム居住者に対する事例調査(3事例を対象とした「生活様態、生活要求、空間改善等」に関する聴き取り調査・質問紙調査)を実施し、(1)自立援助ホームは住宅からの用途転用が多く、5~6人の小規模ホームは既存住宅からの転用に適していること、(2)集まり空間としての共同空間(居間)と個室の重要性、(3)生活技術習得と生活自立力の培いのために、複数人利用可能な調理空間と入居人数に見合った収納空間の存在の重要性の3点を、住宅からの転用時の要件となることを指摘でき、住生活上の問題点や施設空間・住空間の改善点を明らかにした。 2.平成21年8~9月に調査した「小舎制・ユニット型」児童養護施設(0府K市)における補足調査からは、ケア単位の小規模化が改造によって実現され、職員の負担を軽減することによって、子どもに対する個別的な対応が増加し、子どもの自発的な活動が促される傾向が明らかになり、ケア単位の小規模化は、家庭的な環境を有し得る空間計画にとっての重要要件であることを確認した。 3.デンマーク、スウェーデンにおいて、児童福祉関連(社会サービス)施策・制度の関連資料収集、先進的な児童養護関連施設の聴き取り調査と関連資料収集を実施し(2011年3月)、子どもに関わる制度と文化の違いを踏まえながら、日本における生活の場としての児童養護空間のあり方、自立援助ホームの空間計画あり方を考察した。とりわけデンマークにおいては、小規模なケア単位、子どもの遊び空間を通じた心理ケアなどの試みを取り入れた児童養護関連施設計画が把握され、日本の児童養護施設、自立援助ホームの建築計画・インテリア計画に資する知見を得た。
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Research Products
(6 results)