2012 Fiscal Year Annual Research Report
足底圧分布の定量評価による末梢神経障害の影響軽減に関する研究
Project/Area Number |
22500719
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Research Institution | 新潟県立大学 |
Principal Investigator |
菅井 清美 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (60150299)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 抗がん剤副作用 / 末梢神経障害 / 靴による圧迫 / 足趾圧 / 足趾筋力 / 足趾端の動き |
Research Abstract |
抗がん剤治療は、がん細胞を攻撃する抗がん剤を注射や点滴、内服薬などによって全身にいきわたらせる治療法で、がん細胞の分裂を妨げたり、がん細胞の成長に必要な物質の生成を抑えたりして、増殖を抑える。しかし、正常細胞にもダメージを与えるため、副作用は避けられない。特に多い副作用が、吐き気、脱毛、白血球減少等であるが、ある特定の抗がん剤の副作用で起こる「手足のしびれ」は生活上、様々な影響を及ぼし、「抹消神経障害」と呼ばれている。見逃しがちになる足趾は特に注意が必要である。健康な足の指は靴のなかで無意識に圧迫を防ぐために動いているが、しびれているとそれができないため爪のあたりが圧迫され、爪の内部出血や爪が浮いたりして初めて痛みを感じる。抹消神経障害によるしびれは、極めて主観的な感覚であり体験するまで分かりにくい。 足趾筋力と最大足趾圧との関係を被験者43名で比較した結果、足趾筋力が強いと足趾の最大圧も大きくなることが確認された。高齢者9人と青年9人による足趾端の動きの比較では、歩行中のつま先高さの変化に差がみられた。足の筋肉の衰えにより、踵で着地した後のあおりのきいた歩き方が難しくなってきたことによる差であり、しびれによる障害でも同様の歩行変化が考えられる。 抹消神経障害による足趾の感覚の減少は無意識のうちに2次障害を引き起こすので、足趾圧の測定および足趾の運動測定による観察が、こうした障害への注意喚起として、役立つ。また、抹消神経障害の程度はひとによって大きく異なるが、その対策はまだ見つかっていないので、かかってしまった症状改善のためにも、足趾を開閉したり、足趾を回転する、またタオルなどをたぐる運動をすることによって症状の改善を促し、足趾の圧力と筋力の測定を繰り返すことにより、生活の質を高める評価手法として有効利用できるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)