2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500728
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
酒井 昇 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (20134009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 美香 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (10240318)
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Keywords | 食品工学 / 調理工学 / シミュレーション / 焼き過程 / 可視化 |
Research Abstract |
本年度は、畜肉調理を対象とし、具体的にはローストビーフおよびハンバーグを取り扱い、シェフの厨房での実験とそれ基づいて、調理を定量化するための実験を大学の実験室において行った。 1.シェフの厨房での実験 ローストビーフについては、オーブンで調理する一般的な方法と低温のスチームコンベクションオーブンを使用する方法(真空低温調理法)で調理をしていただいた。調理中のビーフ温度測定を行ったところ、両方法とも中心温度が60℃~65℃に到達し、重量変化は12~20%の減少であった。真空低温調理法は、肉を真空パックした後、80℃のスチームで加熱するもので、温度が低い分、タンパク変性が抑えられ、重量減少も小さいことがわかった。ハンバーグについては、フライパンで調理してもらい、温度変化および重量変化を測定した。その結果、殺菌を考慮して中心温度が75℃で1分加熱されることを目指し、温度が高い分、重量損失も大きかった。 2.大学実験室における実験および解析 上記調理を実験室で再現し、食材にどのような変化が起こっているかを検討した。合わせて、ビーフの示差熱分析を行い、タンパク変性(ミオシン・コラーゲン、アクチン)の変性速度定数を求めた。得られた加熱条件を基に、ビーフ内部の熱移動解析およびタンパク変性解析を行った。その結果、ミオシン・コラーゲンは完全に変性するものの、アクチンは完全に変性していないことがわかった。アクチンまで完全に変性すると肉は固くなり、ジューシーさも失われるため、その手前で変性を止めていると考えられる。この温度変化およびタンパク変性率の経時変化を予測するモデルを作成するとともに、可視化ソフトを用いてアニメーション化した。ハンバーグについても同様にモデル化を行い、ハンバーグの収縮ならびに殺菌価についてアニメーション化を行った。以上により、シェフの行っている調理操作を定量化することができた。
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Research Products
(3 results)