2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500733
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂本 薫 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (20187032)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 砂糖 / スクロース / グラニュ糖 / 粉砕 / 加熱特性 / 調理特性 / 熔融特性 / カラメルソース |
Research Abstract |
市販のグラニュ糖(スクロース結晶)の純度は99.9%以上と試薬並みであり,日常的には品質に差があるという認識なく使用されている。しかし現実には,グラニュ糖には融点の異なるものがある。これまでに進めてきた本研究により,融点の異なるグラニュ糖は,異なる加熱過程を経て崩壊,熔融すること,粉砕により生じた粒度の違いがDSC分析の結果に違いをもたらすことなどを確認した。さらに,この粒度の違いによる食味の差を科学的に解明するために,カラメルソースを粒度の異なるスクロース結晶を用いて調製し,還元糖量や色差,官能評価によりその食味に明らかな差が生じることを確認した。 平成24年度は,種々のグラニュ等の粉砕による結晶の壊れやすさとスクロース分子の微量分解について検討した。また,粉砕処理を施したザラメ糖やグラニュ糖について,融点以下の100℃および120℃で加熱し,スクロースの分解を観察した。それらの着色状況および還元糖の生成について,粉砕前のものとの差異を検討した。特に還元糖の測定については,ソモギ・ネルソン法,ジニトロサルチル酸法,液体クロマトグラフィーでの測定結果を合わせて検討し,高濃度のスクロース存在下での還元糖の測定および測定中のスクロースの分解についても詳細に検討し,妥当な測定方法を比較検討した。また,クッキー等の砂糖使用加熱調理品を粉砕糖を用いて調製し,粉砕糖の影響について検討した。 砂糖は我々の食生活のあらゆる場面で使用される重要な食品であるが,加熱熔融時の着色状況や熔融状況に差があると,食品加工上の操作性や食味に大きな差異が生じる。これらの差異について具体的な加熱調理品における影響を検討し,その機序の解明を探ることにより,我々の食生活および食品業界の品質管理に役立つデータを得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|