2012 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下障害者の水分補給のための適切な粘度に関する研究
Project/Area Number |
22500734
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
栢下 淳 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (40312178)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 嚥下 / とろみ / ずり速度 / 水分補給 |
Research Abstract |
米国や欧州では、嚥下障害者を対象としたとろみの機器測定には、ずり速度50S-1で測定する方法が広く使われており、日本ではずり速度10S-1以下の方法で測定されることが多かった。米国等で使用されているずり速度に関する報告はあるが、高齢の日本人を対象とした検討はほとんど行われていなかった。 そこで、高齢者を対象に行ったとろみ水の官能試験結果を基に、機器測定における適切なずり速度の範囲を検討し、その範囲は50~130S-1であることを報告した(Determination of a suitable shear rate for thickened liquid easy for the elderly to swallow, Food Science and Technology Research 18(3) 363-369 2012)。この結果から、欧米との整合性を有するずり速度50S-1での測定が望ましいと考えられた。 日本摂食嚥下リハビリテーション学会(会員数10,000名)では、嚥下調整食特別委員会にて嚥下調整食ととろみの標準化の検討を行っている。とろみ基準策定にはずり速度50S-1での測定法が採用され、嚥下障害者に提供するとろみを3段階(弱いとろみ、中間のとろみ、濃いとろみ)とし、各段階における粘度の範囲について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本摂食嚥下リハビリテーション学会が作成しているとろみの段階表で、とろみ評価にずり速度50S-1が採用された。今後、日本の嚥下障害の方に提供するとろみの測定方法として広く用いられることになると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、日本の嚥下障害の方に提供するとろみの測定方法として、ずり速度50S-1での測定方法が広く用いられることになると予想される。
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