2010 Fiscal Year Annual Research Report
摂食機能に適合した食形態区分の標準化および食形態設定のシステム化導入の検討
Project/Area Number |
22500738
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
柳澤 幸江 和洋女子大学, 生活科学系, 教授 (60191160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小城 明子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30412927)
竹内 由里 松本歯科大学, 附属病院, 管理栄養士 (40534441)
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Keywords | 食形態 / 摂食機能 / 内視鏡 / 栄養学 / 食品 |
Research Abstract |
本研究は、多くの施設で導入可能であることを視点においた食形態区分の標準化、および摂食機能評価-食物形態の設定-食事提供の一連の過程のシステム化の基盤を作ることを目的としている。 食形態区分案の作成では、全国の323施設(高齢者施設・病院・障害児者施設)の主食693、副食895食種を、調理方法や物性特徴から区分した結果、主食7・副食15に区分できた。これらの各区分の適応喫食者の特性を整理した結果、「咀嚼・食塊形成」機能の低下には、大きさや硬さを調整した食種が特徴づけられた。「送り込み+嚥下反射・気道防御」の機能低下には、液状にとろみをしっかりとつけてまとめた食種と、ゲル化剤で固めた食種が特徴づけられた。 食形態区分標準化に向けての食形態区分案の施設での検証(1次調査)では、同意を得た2ヶ所の介護老人福祉施設の入所者について、各施設の看護・介護職員に摂食機能評価用質問票(以下質問票)による評価を依頼した。その後嚥下内視鏡(VE)検査により各人の摂食機能を評価し、機能に適切な食形態の確認を行った。その結果、質問票及びVE検査を実施した89名の内、解析対象者は主食77、副食76名となった。主食の形態区分は普通米飯(43%)、軟飯(16)、粥(とろみ高レベル)(29)、ミキサー(とろみ低)(8)、ゲル(5)の5つに区分された。副食(主菜・肉)では、常食(32%),一口大食(20mm以上)(25)、ミキサー(とろみ中~高)(22)、ゲル(あんかけ)(21)の4つに区分された。質問票の回答に区分間の違いが認められたのは、咀嚼機能・口腔内乾燥・咽頭期惹起遅延・食塊形成不全・液体の誤嚥・痰・食事の速度に関する項目であった。また、主食では喉頭前庭部の食塊貯留,副食では摂食時の臼歯部の咬合状態・口唇閉鎖不全・喉頭蓋谷や梨状窩への食塊貯留・液体と固体混合物の誤嚥に関する項目でも違いが認められた。
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Research Products
(6 results)