2011 Fiscal Year Annual Research Report
摂食機能に適合した食形態区分の標準化および食形態設定のシステム化導入の検討
Project/Area Number |
22500738
|
Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
柳澤 幸江 和洋女子大学, 生活科学系, 教授 (60191160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小城 明子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (30412927)
竹内 由理 松本歯科大学, 附属病院, 管理栄養士 (40534441)
|
Keywords | 食形態 / 摂食機能 / 内視鏡 / 栄養学 / 食品 |
Research Abstract |
本研究は、多くの施設で導入可能であることを視点においた食形態区分の標準化、および摂食機能評価-食物形態の設定-食事提供の一連の過程のシステム化の基盤を作ることを目的としている。 食形態区分標準化に向けての食形態区分案の施設での検証では、同意を得た3ヶ所の介護老人福祉施設の入所者について、各施設の看護・介護職員に摂食機能評価用質問表(以下質問表)による評価を依頼した。さらに嚥下内視鏡(VE)検査による摂食機能評価を実施し、対象者の食種の適合を確認した上で施設での提供食種を決定し、摂食機能状況との対応を検討した。質問表による摂食機能の評価によって、「捕食」「咀嚼」「食塊形成」「送り込み」嚥下反射」「気道防御」といった、摂食のほぼ全域の機能状況、および「誤嚥」「誤嚥性肺炎」の発生について、提供食種間の独立性が認められた。さらに主食では喉頭前庭部の食塊貯留,副食では摂食時の臼歯部の咬合状態・口唇閉鎖不全・喉頭蓋谷や梨状窩への食塊貯留・液体と固体混合物の誤嚥に関する項目でも違いが認められた。また、食種区分別に検討した独立性は、主食より副食でより多く認められた。これは、主食が、いずれも米を共通材料とするのに対し、副食の方が食種間の物性の幅が広いためではないかと考えられた。 このことから、VEによる摂食機能評価の一方で、質問表による摂食機能評価が、食種選択の目安となり得る可能性が見出された。今後は,さらに調査対象施設を増やし,(1)バリアンスの検討による調査精度の向上、(2)今回の施設で実施できなかった、他の食形態区分の検証を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1次調査によって食形態区分の妥当性を検討する計画であり、平成23年度でいくつかの施設協力を得て、施設検証を終了する予定であったが、23年度では終了せず24年も引き続いて実施する形となった。 しかし24年度前半には終了する見通しであり、当初の予定である食形態区分の標準化に向けての研究は遂行可能と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
それぞれの食種を提供している対象者の摂食機能障害との対応性を確認し、副食において、有効な全9区分に分割した。しかし実際の施設では、摂食機能に対応する副食種は平均4-5種の提供であるため、区分案をさらに集約した食形態区分を設定する。昨年より実施している施設調査によって、エビデンスが得られた区分案の統合を行い、施設現場で実施可能な食形態区分の作成を行う。加えて各施設で内視鏡による検査が実施できない場合での、質問表による摂食機能評価方法を検討する。これらの研究成果によって、機能に対応した食形態の基準化に関する研究成果を得る計画である。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Presentation] 摂食機能に適合する食形態選択ツールの開発を目的とした,嚥下内視鏡検査及び質問表による摂食機能評価分析2011
Author(s)
柳沢幸江, 小城明子, 竹内由里, 田中賦彦, 河野みち代, 高杉一恵, 大石明子, 浅野恭代, 佐藤礼子, 細田明美, 下田妙子
Organizer
栄養改善学会
Place of Presentation
広島国際会議場
Year and Date
2011-09-10
-