2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500744
|
Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
真部 真里子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50329968)
|
Keywords | チキン・ブイヨン / うま味 / 減塩 |
Research Abstract |
減塩は、生活習慣病予防の見地から必要不可欠であるが、塩味の低下が料理全体のおいしさを損なうため、おいしく減塩する調理法が求められる。これまで本研究者は鰹だしの風味による減塩効果を報告してきた。そこで、和食のみならず広く減塩食のおいしさ向上を目指して、西洋料理で使用頻度の高いチキン・ブイヨンの減塩効果について検討した。まず、20歳代の女性を被験者とし、試料にチキン・ブイヨン、うま味強度をチキン・ブイヨンに合わせたグルタミン酸ナトリウム(MSG)溶液と食塩水を用いて官能評価を実施した。チキン・ブイヨンは、試料液が室温の場合は、十分試料液を口腔から洗い流せず試料液間の味の比較が不可能であったため、試料液を60℃に調整した。各試料の塩分濃度を0.71~0.90%の5段階に調整した検査液と0.80%食塩水とをそれぞれ組み合わせて50℃で提供し、各組、より塩味の強いもの、塩味の強さが好ましいものを被験者に回答してもらった。その結果、チキン・ブイヨンは、同じうま味強度のMSG溶液では塩味抑制効果があったにも関わらず、塩味増強効果が観察され、チキン・ブイヨン中のうま味以外の風味が塩味を増強させる可能性が示唆された。但し、ばらつきの多い結果であったため、再確認の必要がある。また全塩分濃度範囲で、チキン・ブイヨンは0.80%食塩水の塩味強度よりも有意に好まれた。MSG溶液においても同様に好まれたことから、チキン・ブイヨンに認められたおいしさ向上効果は、うま味に起因すると推測された。 また、チキン・ブイヨンのにおいの成分についてGC-O分析を行った。特徴的なにおいとしてRT36分と46分に歯磨き粉のにおいがあった。これは、材料中の香草類由来であると推測された。また、RT63分に大きなピークが見られたと共に強いブイヨンのにおいがあった。香気成分の同定については、今後検討していく予定である。
|