2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500744
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
真部 真里子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50329968)
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Keywords | チキン・ブイヨン / 減塩 / 野菜 |
Research Abstract |
本年度では、昨年度に引き続き、和食以外でも減塩食のおいしさを向上させることを目指して、チキン・ブイヨンの減塩効果について検討した。20歳代の女性を被験者とし、試料にチキン・ブイヨン、野菜のみのブイヨン、うま味強度をチキン・ブイヨンに合わせたMSG溶液と食塩水を用いて官能評価を実施し、チキン・ブイヨンについてはノーズクリップを着用した場合も実施した。各試料の塩分濃度を0.62~1.00%の5段階に調整したものを比較試料とし、0.80%食塩水とをそれぞれ組み合わせて60℃で提供し、各組、より塩味の強いもの、塩味強度が好ましいものを回答してもらった。昨年度実施した官能評価の精度が低かったため、試料の塩分濃度差をより大きくとり、口ゆすぎも水と無塩クラッカーを併用した。プロビット法で解析した結果、チキン・ブイヨンには顕著な塩味増強効果は認められなかったが、野菜のみのブイヨンに塩味抑制効果が確認された。野菜無添加のチキン・ブイヨンに塩味増強効果があるとの報告があるが、鶏肉に野菜を加えて調製したチキン・ブイヨンに顕著な減塩効果が認められなかったのは、野菜と鶏肉の作用が相殺されたためと考えられる。また、0.8%食塩水よりも塩味強度が好ましいものを回答してもらったところ、比較試料が食塩水では、すべての塩分濃度において0.8%食塩水との間に有意差は見られず、個々の被験者の塩味強度への好みは多様であると考えられた。一方、ノーズクリップを着用してチキン・ブイヨンを比較試料にした時は、塩分濃度0.62~0.80%で有意に好まれたが野菜のみのブイヨンはやや高い塩分濃度でよりおいしいと評価された。このことより、塩分濃度が低い場合は鶏肉由来の呈味物質の効果によりおいしさを向上させ、塩分濃度が高くなると野菜類由来の風味でおいしく感じると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最初に検討を開始したチキン・ブイヨンにおいて、想定外の要因により精度のよい官能評価結果が得られず、今年度、再試する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、様々なだしについて並行して検討する予定であったが、最初に取り組んだチキン・ブイヨンにて、想定外に油脂含量が高く、官能評価が適切に実施できなかったため、進行に遅れが生じた。そこで、まず、チキン・ブイヨンについて課題を遂行することを優先することとした。また、だしの種類を限定したため、チキン・ブイヨンの食材別にその効果を検討することにし、さらに、問題となった油脂の存在が、風味の認識にどのような影響を及ぼすかについても検討することにした。
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Research Products
(1 results)