2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22500745
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
北尾 悟 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (40150081)
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Keywords | 食品 / 医療・福祉 / えん下 / 抗酸化 / ラジカル捕捉活性 / アスコルビン酸 / カテキン類 / 物性 |
Research Abstract |
昨年度、糖質化合物としてスクロースおよびその構成分子であるグルコースを、そして食品機能性因子としてアスコルビン酸を用いてモデル系における検討を行った。23年度は物性も考慮に入れた調理加工方法の検討を視野に入れてデンプン、寒天、カラギーナン、キサンタンガムなど多糖類を糖質化合物として検討を行う予定としていた。しかしながら今年度は食品機能性因子としてカテキン類を用い糖質化合物としてスクロース、グルコース、およびフルクトースを用いて検討することを優先した。アスコルビン酸より茶抽出物を食品素材として加工食品に利用するケースが増えてきたためである。 実験方法は基本的に前年度と同様である。加熱によるエピガロカテキンガレート(EGCg)の減少をHPLCによる定量とアゾ化合物由来のペルオキシルラジカル捕捉活性を化学発光で検出する方法にて評価した。また加熱は、外部加熱(湿式加熱、50、100、150℃)にて時間は0、10、20分とした。 その結果、酸性pH領域ではEGCgは安定であったが、中性およびアルカリpH領域においての不安定さを糖質化合物が共存することで機能性損失を抑制する効果が見られた。特に調理や加工の実際のpHである中性領域においてその効果が顕著であった。HPLC分析より加熱温度50および100℃において、スクロース、グルコース、フルクトースによるEGCg量の加熱による減少が抑制された。特にグルコースによる効果が大きいことが見出された。ペルオキシルラジカル捕捉活性も同様にこれら糖質による活性減少を抑制する効果が見られ、残存量とラジカル捕捉活性との間に強い相関があった。アルカリpH領域(pH10.0)では加熱による速やかな減少が見られたが、調製時にこれら糖質化合物が存在すると残存量およびラジカル捕捉活性は高いという現象は見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定を変更したため、多糖類の検討を行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はデンプン、寒天を中心に検討を進める。実際に着手している。物性値も示し、えん下困難者用食品を中心に、機能性を損なわず高齢者を中心とした国民の健康維持・増進に寄与するデータを必ず提出する。
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