2010 Fiscal Year Annual Research Report
加熱・高圧・乾燥処理による野菜・果実の物性変化とペクチン質の関係
Project/Area Number |
22500746
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
渕上 倫子 福山大学, 生命工学部, 教授 (60079241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑田 寛子 福山大学, 生命工学部, 助手 (20509252)
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Keywords | ペクチン / 金糸瓜 / 電子顕微鏡 / ジャガイモ / ユズ / 高圧力処理 / 加熱処理 / 物性 |
Research Abstract |
I. 加熱処理による野菜・果実の物性変化とペクチン質の関係 金糸瓜はなぜそうめん状に剥離するか 金糸瓜を煮熟、または各種キレート剤に浸漬した時の剥離状態を比較し、ペクチン質の性質を調べ、そうめん状に剥離する原因について検討した。pH2のHCl溶液に浸漬すると、高エステル化度のペクチンが溶出し、加熱しなくてもそうめん状に剥離した。この結果から、糸状組織を接着しているのは高メトキシルペクチンであることを明らかにした。 水道水で煮熟したジャガイモの軟化・硬化 総社市水道水に浸漬・煮熟すると煮汁がpH8の弱アルカリ性であるにもかかわらず、岡山市水道水より煮熟軟化しにくかった。イモを脱イオン水、水道水で煮熟、または20℃、30℃、60℃で浸漬後煮熟すると、浸漬温度が高く浸漬時間が長くなるほど硬化した。Ca^<2+>濃度とpHを同じにすると、総社市水道水中で煮たときと同程度に硬化し細胞壁の分離が抑えられた。浸漬液、煮汁中のCa^<2+>が煮熟後の硬さに影響することを明らかにした。 II. 高圧処理による果実の物性変化とペクチン質の関係 ユズのペクチン質・組織・物性の測定と高圧マーマレードの試作 ユズの外果皮、中果皮、内果皮・果肉を、加熱、高圧処理、pH2のクエン酸液に浸漬し、軟化とペクチンの関係を検討した。クエン酸溶液に浸漬するとペクチンが約30%溶出し軟化した、加熱するとペクチンが加水分解して軟化したが、高圧処理では分解せず軟化がわずかであった。果皮をクエン酸浸漬して軟化させた後、砂糖を添加し高圧処理することにより、香味のよいマーマレードを製造できることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)