2012 Fiscal Year Annual Research Report
煮物における煮汁の温度・濃度分布特性とマルチスケール熱流体流動モデルによる解析
Project/Area Number |
22500749
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Research Institution | 神戸山手短期大学 |
Principal Investigator |
原 知子 神戸山手短期大学, その他部局等, 准教授 (40192281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 隆夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40158481)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 煮る / 調理 / 対流 / 多孔質 / ポーラスメディア / 熱伝達 / ダルシー数 / ヌッセルト数 |
Research Abstract |
煮物調理では煮汁により食材を比較的緩やかかつ長時間にわたり加熱するが,煮汁温度や濃度が容器内で均一であることが望まれる.このような調理において,煮汁の温度・濃度分布が個々の食材にどのような影響を及ぼすかを知ることは, 煮物調理を理解するうえで重要である. 本研究ではこの問題を解析するため,容器内での食材分布と個々の食材を大小の異なるスケール(マルチスケール)を持つポーラスメディア(多孔質媒質)と仮定し,その中での煮汁の熱流動を調べている.このポーラスメディア中での流体方程式と熱輸送方程式を数値的に調べるとき,簡単のため上下間での温度の差を一定とする境界条件のもとで解析を行ってきた.しかし,実際のIHヒータを用いた加熱実験と比較するためには,容器下部での境界条件としては温度を与えるよりも熱流束を与えるべきである.そこで今年度は,熱流束一定の境界条件の下で熱流動現象の解析を行った. レイリー数とボイド率を一定とした場合,具材径の増加はダルシー数の増加に対応することから,加熱過程においてダルシー数が大きいほど対流がより強く発生し容器内での流速変動はより大きくなる.そのため容器内で温度はより均一になるが,容器内での平均温度の上昇はダルシー数に依存せずほぼ等しいことなどが示された.さらに,ダルシー数が0.0001~0.00001で容器内での温度差が急激に増加し熱伝達は熱伝導が支配的になる.またダルシー数が0.0001~0.00001あたりでヌッセルト数が最大値をとることから,その付近で対流熱伝達が最大となっていることが予想される.ダルシー数は具材径と関係があるので,対流熱伝達が最大となる具材径やボイド率が予測でき,煮物調理に最適な具材径や具材量が予測できる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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