2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームの予防と治療のための食事指導
Project/Area Number |
22500758
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
塚本 幾代 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (20144636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 美佐子 奈良女子大学, 生活環境学部, 特任教授 (70079242)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 肥満 / 血中脂肪酸組成 / n-3系多価不飽和脂肪酸. / desaturase活性 |
Research Abstract |
今や、国民病とも言われるメタボリックシンドロームの予防と治療は、国民的焦眉の課題である。メタボリックシンドロームとは,肥満(内臓肥満)に加えて,3つの症状(高血糖、高脂血、高血圧)の中の2つの症状を有する症候群を言う。メタボリックシンドロームの基礎疾患は肥満ということができる。肥満は,糖質と脂質の代謝異常をもたらし,この代謝異常が,糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝,動脈硬化等を引き起こす。本研究は、血中脂肪酸を脂質代謝の指標とし、どのような食事がメタボリックシンドロームを引き起こす原因となるかを明らかにするために、メタボリックシンドローム(METS)を有する男性62名と健康な男性(HELTHY)58名について、食事調査、身体計測、臨床検査、血中脂肪酸分析を行った。METS群では、HELTHY群と比較して、BMI、腹囲、血圧、血中のTG、糖、HbAlc、いずれも有意に高値を示した。血中のコレステロール画分の脂肪酸組成では、パルミトレイン酸、γ-リノレン酸、ジホモγ-リノレン酸、アラキドン酸が上昇し、リノール酸の減少が認められた。また、前駆体と生成物の比から求めたdesaturase活性は、△9-及び△6-desaturase活性の上昇と△5-desaturase活性の減少が見られ、脂肪酸合成の指標(パルミチン酸/リノール酸 比)も有意に増加した。栄養素では、食物繊維、n-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取が有意に減少していた。ロジスティック分析の結果、食事からのn-3PUFAの摂取が、メタボリックシンドローム発症のリスクを減少することが示された。
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Research Products
(1 results)