2012 Fiscal Year Annual Research Report
βーカロテンの経口摂取によるウイルス感染症対策を志向する基礎研究
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22500761
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山西 倫太郎 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30253206)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食品 / 免疫応答 / β-カロテン / マクロファージ / グルタチオン |
Research Abstract |
マウスに高ビタミンEとともにβ-カロテンを摂取させた場合には、抗原投与により誘導されるIgE抗体の産生が低下し、脾細胞のグルタチオン(GSH)量を増加させ、さらに、1型ヘルパーT細胞(Th1)活性を亢進させる。本研究では、β-カロテンが免疫システムの中の抗原呈示機能に影響を及ぼした結果としてTh1亢進(:Th2抑制)に寄与するのではないかとの仮説を立て、それを検証するための実験を企画した。本年度は、抗原提示細胞のモデルとしてマウスマクロファージ培養細胞RAW264を用い、β-カロテン他のカロテノイドによる細胞内グルタチオン(GSH)増加作用について、どうしてそのような現象がもたらされるのかを詳細に解析する研究を行った。その結果、β-カロテンがGSH合成の律速酵素であるglutamate-cysteine ligase(GCL)のmRNAならびにタンパク質を増加させることが明らかとなった。そして、転写阻害剤アクチノマイシンD存在下では、β-カロテンによるGCLのmRNA・タンパク質増加作用ならびにGSH増加作用が消失し、翻訳阻害剤シクロヘキシミド存在下ではmRNA増加作用は影響を受けないものの、GCLタンパク質増加ならびにGSH増加作用が消失した。他のカロテノイドでは、β-クリプトキサンチンもβ-カロテンと同様の作用を発揮したが、ルテインにはそのような作用は無かった。以上の結果より、カロテノイドの中でもβ-カロテンやβ-クリプトキサンチンは、転写を亢進させることにより、GCLタンパク質の量を増加させ、その結果、GCLが触媒する反応の最終生成物であるGSHの細胞内濃度を増加させることが明らかとなった。免疫細胞におけるGSHレベルは、様々な細胞機能に影響を及ぼすことが知られており、本研究成果は、β-カロテンに対して重要な生理的意義を保証するものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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