2012 Fiscal Year Annual Research Report
フルクトース誘発高血圧における腸管でのクロライド吸収の役割の解明
Project/Area Number |
22500764
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
林 久由 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 講師 (40238118)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 栄養学 / 食品 / 高血圧 / 生理学 |
Research Abstract |
前年度に継続して、マウス大腸におけるNaCl吸収機構の検討を行った。Cl-の主要な吸収輸送担体であると考えられるSLC26A3のノックアウトマウスを用いて、野生型マウスと比較検討することで行った。腸管内のCl-濃度を測定するとSLC26A3ノックアウトマウスでは野生型に比べ有意に高い値であった。また腸管内容物のpHは野生型に比べ酸性化しており、アルカリ分泌の低下または酸分泌の上昇が示唆された。またCl-の吸収はSLC26A3ノックアウトマウスでは、盲腸、中遠位大腸では低下しており、SLC26A3が主要なクロライド吸収輸送担体であることが示唆された。腸管でのNaCl吸収機構は、Na+/H+交換輸送体(NHE3)とCl-/HCO3-交換輸送体(SLC26A3)が共同して働いていると考えられている。このためNa+/H+交換輸送体の特異的抑制剤であるS3226を用いて検討を行った。盲腸、大腸ではS3226添加により、Na+の吸収性のフラックスが抑制され、主要なNa+の吸収はNa+/H+交換輸送体(NHE3)により担われていると考えられた。Na+/H+交換輸送体(NHE3)とCl-/HCO3-交換輸送体が大腸の各部位で、機能的に共役してNaCl吸収をしているのかどうか検討する為に、Na+/H+交換輸送体(NHE3)抑制剤存在下で、Cl-吸収フラックスが変化するか、また逆にCl-/HCO3-交換輸送体(SLC26A3)の抑制剤存在下で、Na+吸収フラックスが変化するかどうか検討した。機能的に共役しているNa+とCl-の吸収フラックスの量比を比較すると、盲腸ではCl-の吸収フラックスがNa+吸収フラックスより有意に大きかった。しかし中位結腸ではNa+とCl-の吸収フラックス量の差はなかった。これらのことは腸管各部位でのNaCl吸収機構は異なることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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