2010 Fiscal Year Annual Research Report
心と身体に障害をもつ特別支援学級児に対する「生きる力」を育む食育の先導的研究
Project/Area Number |
22500766
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
岡本 秀己 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (10159329)
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Keywords | 食育 / 特別支援学級 / 発達障害児 / 食育プログラム / 食育の実態 |
Research Abstract |
1.意義・重要性 平成19年特別支援教育が始まり、特殊教育対象障害児に加え、発達障がい児も含めて支援することが定められた。近年、障がいの重度・複合や多様化、学習障害、ADHD、高機能自閉症等が増加し、学習や生活の面で特別支援教育が求められている。自立活動の指導には生活のリズムや生活習慣の形成、健康状態の維持・改善が含まれ、我々は障害のある児童に生きる力を育む食育が必要と考える。 そこで特別支援学級における食育を今後進めるための基礎資料を得るため、特別支援学級の食育及びその児童の食や生活実態を調査した。 2.具体的内容 彦根市内全小学校(17校)の特別支援学級を対象に (1)特別支援学級の構成・一般指導・食に関する指導等についての質問調査(回収率82%)。 (2)特別支援学級児の障害・身体状況・授業の様子・食に関する指導・給食時の様子・食への興味等についての質問調査(回収率85%)を実施した。 3.成果 (1)特別支援学級担任は食育を重要と考えているが指導頻度は少なく、教材や食に関する知識等を必要と感じており、栄養教諭による食育を求めていることが明かとなった。 (2)発達障害群、知的障害群、身体障害群の間には授業の集中度(p<0.01)に有意な差がみられた。発達障害群は身体障害群に比べ、授業中問題行動がある(p<0.05)、知的障害群、身体障害群に比べて、給食で苦手な食べ物がたくさんある(p<0.05)、食に関するこだわりがある(p<0.01)が有意に高かったが、給食時問題行動には有意な差は見られなかった。 4.今後の課題 栄養教諭と担任の連携、発達障害特性に応じた教材・ツールの開発が望まれており、段取り、役割把握、協調など社会参加に欠かせない要素を組み入れた発達障害児に対する特別支援食育が必要であり、集中力持続や多動等の問題行動等の改善が期待できる食育プログラム作成が課題である。
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Research Products
(1 results)