2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの授乳・成長期における多価不飽和脂肪酸の役割に関する研究
Project/Area Number |
22500777
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
守口 徹 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (10512006)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 多価飽和脂肪酸 / 神経科学 / 栄養学 |
Research Abstract |
本研究は,各種多価不飽和脂肪酸を調節した人工乳を用いて⊿6不飽和化酵素欠損マウスを人工飼育した後に脳機能等を評価し,脳内脂肪酸組成との相関性を検証して脳機能における真に必須の脂肪酸を明確に証明するものである.平成24年度は,以下に示す項目について実施を行なった. ① ⊿6不飽和化酵素欠損マウスの繁殖中に得られた雄性マウス(ホモ型)の若齢,成熟個体を用いて,飼料中の脂肪による各組織中の酸組成変化を検討した. → ⊿6不飽和化酵素欠損マウスの繁殖中に得られた雄性マウス(ホモ型)の若齢(4週齢),成熟個体(24週齢)に多価不飽和脂肪酸としてリノール酸とαリノレン酸のみを含有する飼料をそれぞれ10週間与え,体重変化を調査した. また,各個体から23組織部位を採取して脂肪酸組成を解析中である.各群の体重変化において,若齢群では,⊿6不飽和化酵素欠損により,体重増加の明らかな抑制が観察されたが,成熟個体では,その影響は認められなかった. しかし,両群ともに,脳組織などの各種多価不飽和脂肪酸の顕著な低下が観察された. ② ⊿6不飽和化酵素欠損マウスの人工飼育による各組織中の脂肪酸組織変化の検討. → ホモ型雄性マウスの誕生後,48時間以内に母獣から引き離し,リノール酸とαリノレン酸含有人工乳(基礎乳)で飼育し,その成長過程を9週齢まで正常動物と比較した.また,基礎乳にアラキドン酸を加えてその作用についても検討した. 正常動物と比較して,基礎乳で飼育した⊿6不飽和化酵素欠損マウスは,明らかな低体重を示したのに対してアラキドン酸を加えた人工乳で飼育した⊿6不飽和化酵素欠損マウスは,正常動物とほぼ同程度の体重を示し,授乳期におけるアラキドン酸の重要性が確認された.今後,ドコサヘキサエン酸等の脂肪酸を添加した人工乳を用いて,同様の検討を行い,各脂肪酸の必須性に関する検討を継続する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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