2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500790
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
廣田 幸子 九州女子大学, 家政学部, 准教授 (00312140)
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Keywords | 一酸化窒素 / ポリフェノール / おくび |
Research Abstract |
食欲不振などによる胃の機能低下は、低栄養につながる。この研究では、胃の機能向上に胃腔で生成した一酸化窒素が関与していることを明らかにすることである。口腔と胃腔は、唾液を介して密接な関係にある。この関係は、唾液に含まれている亜硝酸塩の胃腔での一酸化窒素への変化を通して保たれている。胃腔内で生成される一酸化窒素は、唾液中の亜硝酸塩とポリフェノール類が胃腔で反応することによって高められる。 そこで今年度は、フェノール類を豊富に含む「そば粉」の生地を摂取した場合、胃腔での一酸化窒素生成が高まるかどうかを調べた。その結果、そば粉生地摂取前後の胃腔内の一酸化窒素濃度は、0.225-1.133ppmから0.675-2.033ppm(n=3)と増加した。この一酸化窒素濃度の増加は、そば粉に含まれるフェノール類が唾液の亜硝酸イオンを胃腔で還元したためだと思われた。そこで、この一酸化窒素生成に伴って酸化されるそば粉のフェノール成分を調べた。その結果、ペラルゴニジンおよびシアニジン由来のプロアントシアニジンが亜硝酸によって酸化されることがわかった。酸化産物にはキンヒドロン構造が含まれていることが明らかになった。
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