2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500790
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
廣田 幸子 九州女子大学, 家政学部, 准教授 (00312140)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポリフェノール / 亜硝酸塩 / 唾液 / 胃腔 / プロアントシアニジン / クロッシン / 澱粉 |
Research Abstract |
この研究の目的は、胃の機能向上に胃腔で生成した一酸化窒素が関与していることを明らかにすることである。口腔と胃腔は、唾液を介して密接な関係にある。この関係の一つとして、唾液中の亜硝酸塩の胃腔での一酸化窒素への変化があり、胃腔内での一酸化窒素生成は、食品中のポリフェノール類が唾液中の亜硝酸塩を胃腔で還元することによって高められる。これまでに、そば粉に含まれるプロアントシアニジンやフラボノール類が唾液中の亜硝酸塩を還元することによって、胃腔での一酸化窒素生成を高めることを明らかにしてきた。また、そば粉に含まれるポリフェノール類は、α-アミラーゼによる澱粉の消化を抑えることも明らかにしてきた。この澱粉消化抑制機構として、ポリフェノール類と澱粉との結合を予測している。 今年は昨年に引き続き、クチナシ果実などに含まれている水溶性のカロテノイドであるクロッシンに着目して実験を行った。クロッシンは唾液に含まれる亜硝酸塩によって胃腔条件下で酸化され、その酸化に伴って一酸化窒素が生成した。また、この酸化に伴う一酸化窒素生成は、澱粉によって抑制された。他方、クロッシンはα-アミラーゼによる澱粉の消化を促進し、その促進程度は、アミロペクチン消化の方がアミロース消化の方より大きかった。澱粉によるクロッシンの酸化抑制とクロッシンによる澱粉消化の促進は、クロッシンが澱粉のらせん構造間に入り込んだためであると考えている。塩素イオン(100 mM)によって澱粉消化が大きく促進された条件では、クロッシンの澱粉消化に対する影響は見られなかった。以上のことから、もし、胃でのクロッシンの酸化が澱粉との複合体形成に伴って抑制され、かつ、腸に運ばれたクロッシン/澱粉複合体からα-アミラーゼによる澱粉消化に伴ってクロッシンが遊離されれば、クロッシンの生物学的利用率は、澱粉によって向上すると推定される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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