2010 Fiscal Year Annual Research Report
活性型グレリン産生阻害を介して肥満を制御する食品素材の探索
Project/Area Number |
22500794
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
仮屋薗 博子 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (20437958)
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Keywords | グレリン / GOAT / FAT/CD36 / FATP / オクタン酸 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
成長ホルモン分泌促進因子として発見・構造決定された、摂食亢進作用を有するペプチド、グレリンはその活性発現に炭素数8個のオクタン酸によるエステル化が必須とされている。このオクタン酸修飾を司る酵素ならびに脂肪酸輸送タンパク質に着目して研究を行った。本年度はまず、試験細胞株としてヒト胃がん細胞株AGSおよびMKN7ならびにヒト副腎皮質がん細胞株SW-13を用い、RT-PCR法によりグレリンのmRNAの発現を調べた。既報で確認されていたAGS細胞およびSW-13細胞とともに、MKN7細胞でもグレリンのmRNAの発現が確認された。次にオクタン酸修飾を司る酵素(ghrelin O-acyl transferase:GOAT)のmRNAの発現を調べた結果、AGS細胞、MKN7細胞およびSW-13細胞でその発現が確認された。脂肪酸の細胞内への取り込みに関与するタンパク質FAT/CD36およびFATPはいずれの試験細胞株においてもmRNAの発現が確認された。各種抗体を用いたウエスタンブロット法により、タンパク質レベルにおけるFAT/CD36が3種類の試験細胞株で検出された。また、各細胞の細胞内および培地中のグレリンをELISA法により調べたところ、AGS細胞の細胞内でグレリンが検出された。以上により、本研究の評価系にAGS細胞が有用である可能性が示されたが、AGS細胞でのグレリンタンパク質の検出量が微量であったことから、現在グレリンの強制発現株の作成を試みている。細胞培地に添加するオクタン酸は0~1mMの範囲で細胞生存率に影響しないことが確認されたため、活性型グレリン産生に及ぼす外来脂肪酸の影響を現在検討している。
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Research Products
(11 results)