2012 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析・電子回折による、原子を直接認識する教材の開発
Project/Area Number |
22500799
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
南 伸昌 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (80292572)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 洋一 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50143186)
伊東 明彦 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70134252)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 電子回折 / 理科教材 / 原子の認識 |
Research Abstract |
原子・分子の認識を深める教具として小型電子回折装置を開発し、高校生対象の実験講座を開いてその効果や課題を探った。装置は、高等学校に持ち込むことを念頭に、扉から出し入れできる大きさ、一人で持ち運べる重量・仕組みとした。また、電源は100 Vで稼働し、-5 kVの加速電圧でも回折パターンが観察できる仕様とした。試料は調整のし易さ、見た目の判りやすさからMgO(001)表面上のMgO微結晶を用いた。講座において、2次元回折格子の拡大像を光学顕微鏡で観察して回折パターンと対応させることにより、単なる格子点の並びと光とが相互作用することを印象づけた。それを踏まえてMgO微結晶の電子回折パターンの観察を行い、MgOの格子定数を求めさせた。受講生に対するアンケート調査から、結晶の中には非常に小さな粒―原子―が規則正しく並んで詰まっており、それが電子線と相互作用して回折パターンを生じることが、実感を持って受け止められたことが判った。また、原子に対する認識が深まるとともに、「回折」など光に対する学習意欲が高まるなど、副次的な効果も見られ、簡易型電子回折装置を活用した講座が高校物理・化学の学習に有効であることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|