2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学反応のCGアニメーションによる可視化と実験プログラムの作成およびその評価
Project/Area Number |
22500803
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
生尾 光 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (50159589)
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Keywords | 実験学習プログラム / 量子化学計算 / CG動画 / 反応メカニズム / 化学教育 / タブレットパソコン / 教材 / 試行 |
Research Abstract |
本研究では化学反応を題材とする実験および教材からなる実験学習プログラムを作成し、その学習効果を検証する。使用する教材は化学反応が進行する様子を量子化学計算に基づいて作成したCG動画をタブレットパソコン(Apple,i-Pad)上で観察できるようにしたものである。学習者は、取り扱う反応メカニズムをCG動画で学習してから実験を行い、さらに実験後に実際の反応メカニズムの例をCGで学習するので、実体としての合成実験および実際には目に見ることが出来ない反応メカニズムの両イメージの統合が期待される。 本年度の結果 1.液相においてはハロゲンのイオン的解離を経由することが実験的に知られているシクロペンテンへのハロゲン付加についてGaussian 03Wを用いてHF/6-31GおよびB3LYP/LanL2DZによる計算をした結果、気相においては塩素の均一的解離を経る経路がエネルギー的に優位であることを見いだし、液相に加えて気相の反応経路図を作成することが出来た。 2.Walden反転を題材とした実験学習プログラムを作成するためにメタノール生成、1-ブチルブロミド生成、そして2-ブチルアルコール生成についてMOPAC/PM5による計算を行い、それらの反応経路を求めた。計算結果からCG動画を作成した。併せて合成実験の条件を検討し、テキストを作成した。 3.本年度作成したWalden反転のCG動画に加えて既に作成してあるHI生成、炭酸生成、エステル化等の動画をタブレットパソコン用に最適化してインストールした。CG動画の効果を検証するために本学教育学部においてその一部を試行した。
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