2011 Fiscal Year Annual Research Report
2項分布にしたがう現象のモデル化を題材とする「情報の科学」カリキュラムの開発
Project/Area Number |
22500806
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
成田 雅博 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (10237612)
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Keywords | モデル化 / 情報の科学 / カリキュラム / 離散データ / 2項分布 |
Research Abstract |
1.国内外の学会において、最新の統計教育に関する資料収集を行った。新学習指導要領改訂にともない、算数・数学科や情報科において統計・データ解析分野が多く導入されつつあり、以下の大会・研究会等において、統計教育分野の研究情報を収集分析した。 ・日本科学教育学会年会 ・日本教育工学会全国大会 ・日本数学教育学会数学教育論文発表会 2.高等学校普通教科情報の単元「情報の科学」において、統計的仮説検定の考えの理解、統計的思考を育成する教材を、平成22年度に収集した教育素材、教材及び教育内容体系・指導系列の分析結果を活用して行った。 3.統計教育ソフトウェアFathom及びTinkerPlotsを利用することによって、教科情報「情報の科学」の効果的な学習が可能な分野・教材の抽出を行った。Fathomに関しては、温度・気圧・光等に関するセンサーが開発されたため、これまでグラフ電卓等を前提に開発されてきた教材をもとに効果的な教材開発が可能であることがわかった。また一般に小学校向けソフトウェアと考えられているTinkerPlotsは、データ工場モジュールを使うことにより、情報の科学分野におけるモデル化とシミュレーションの認知的道具として活用することができ、効果的な教材開発が可能であることがわかった。 4.小学校・中学校における統計教育カリキュラム及び教材の検討を行い、本研究対象である高等学校とのカリキュラムの接続を考察した。 5.大学教養課程における統計教育カリキュラム及び教材の検討を行い、本研究対象である高等学校とのカリキュラムの接続を考察した。特に、ほとんどの大学の初年度に行われているコンピューター・リテラシーの科目における、表計算ソフトウェアの活用の教材として、2項分布モデルで記述できる現象を扱うことが効果的であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり、教科情報のモデル化とシミュレーション分野における教育内容分析及び教材開発がすすんでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後本研究で開発した教材を、大学における授業で試行した上で、高等学校において実験授業を行い、授業ビデオの記録・分析により、教材の評価・改善を行った上で、実践的配慮事項をまとめた教師用解説書を作成する。 中学校とのカリキュラム上の接続・大学との接続に関しても同時にすすめていく。
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Research Products
(2 results)