2010 Fiscal Year Annual Research Report
生物と熱・エネルギーに関するB区分及び第2分野のカリキュラム開発
Project/Area Number |
22500815
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
正元 和盛 熊本大学, 教育学部, 教授 (60136702)
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Keywords | 校内姿源 / エネルギー / 熱環境 / 生物分野 / カリキュラム / B区分 / 第2分野 |
Research Abstract |
生物でのエネルギー概念の中には熱も含まれ、それをいかに制御するかは生物の構造機能にも反映される。植物では、太陽光エネルギーの過剰分による葉温上昇を蒸散により制御する。ヒトは発汗によって過剰な体温上昇を制御する。このような巧みな生物と熱の関係の理解に向けて、理科学習のための教材素材及び実験系の開発を「校内での植物による蒸散を活用した熱制御」について試みた。 1.壁面緑化の実感を伴った理解のための基礎データ集積 熊本市内の小中学校で、ツル植物による「緑のカーテン」を作製している学校の、「緑のカーテン」前後での一日の温湿度変化をデータロガーにより計測した。空間冷却効果は「緑のカーテン」からの距離、配置に依存すると見られ、明確な差は得られなかった。しかし、「緑のカーテン」そのものを赤外線サーモグラフィー装置で測定すると、枯れかかっている葉では葉温が高いことをサーモグララィーの色調で明確に示すことができ、蒸散機能の類推が可能である。1枚の葉での葉温上昇をポトスで、ワセリン処理有無で同様に明確に示すことができ、また蒸散を電子天秤での重量変化から、蒸散と葉温上昇防御を視覚的に示すことができた。同様にヒト腕での実験で、発汗機能を示すこともできた。冷却効果を赤外線サーモグラフィーで示すことは、小中学校理科学習での実感を伴った理解のための一助となる。 2.「水のとおり道」と植物 新学習指導要領でのシダ植物維管束(根、茎、葉)観察のために胞子からの培養栽培と、顕微鏡写真作成を行った。また、ホウセンカなどで切り花着色剤を用いて、木部(道管)染色の様子の資料作成をし、植物と水の関連から植物の系統的理解のための資料作成を試みた。
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Research Products
(3 results)