2011 Fiscal Year Annual Research Report
ライブ・ネットワーク型および独習型一体の統合理科学習支援システムの開発
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22500817
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
中島 俊男 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (70201879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
軸丸 勇士 大分大学, 教育福祉科学部, 名誉教授 (40040729)
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Keywords | 科学教育 / 分子シミュレーション / 遠隔制御 / コンピュータ |
Research Abstract |
パソコン上で複雑な分子の動きを正確に観察し、データを集積するためには分子をパソコン上で作成し、その分子の物理的、立体構造的な性質、すなわち力場パラメータとトポロジーを前もって決めておかなければならない。これまでパソコン上で分子動力学シミュレーション(MD)用に使用する分子の物理的入力データは、アメリカ・イリノイ大学等の助力により達成されてきた。アメリカから供給されるデータはしかしながら核酸、タンパク質、DNA等の生体関連物質関係が大部分である。そこで本大学での科学および理科教育で紹介する無機・有機物質モデルのシミュレーション用の分子力学的および構造的データを構築するため、平成22,23年度においてはWindowsでの分子の力場パラメータの作成に不可欠なステムソフトウェア、「Direct Force Field 7.0」を使用し基礎的な無機物質シクロ3リン酸ナトリウムの分子力場の作成と最適構造を初めて決定するのに成功した。このソフトウェアから得られた力場パラメータとトポロジーを使ってこれまで使用しているMDシミュレーションに応用し水中におけるシクロ3リン酸ナトリウムのシステムで2ナノセカンドの間行い、全エネルギーが一定であることを確認し、構造の動的性質の決定に成功した。本学部におけるMDシミュレーションシステム全体の構成はLinux OS上の分子動力学シミュレーション(namd)で分子集合体の分子座標や速度を10^<15>秒ごとに計算、保存し,分子の動きをウエブブラウザー上でアニメーション風に観察、体験することからなり今回の力場パラメータとトポロジーを作成するDFF7.0の導入によってほぼ完全にすべての分子システムで、シミュレーションが可能となった。平成24年度は外部のウエブブラウザー上からアクセスし、分子の動きを観測し、遠隔制御による科学実験のシステム構築等、統合的なシステムの完成を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度,本基盤経費によって得られた教育、研究業績は十分であると考えられる。 現在までの膨大な結果を論文にまとめ、学会で発表することが待たれる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は導入したDFF7.0の導入によって得られた力場データを十分に活用し、さらにさまざまな分子集合体システムで、シミュレーションを引き続き行う予定である。また外部のウエブブラウザー上からアクセスし、分子の動きを観測し、遠隔制御による重力の測定科学実験のライブシステム構築等を目指す。また、e-learningにおいては高等学校理科の力学,電磁気学,電子回路の基礎分野を中心にした統合的なシステムの完成を目指す予定である。
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Research Products
(1 results)