2010 Fiscal Year Annual Research Report
技術者倫理教育の目的、方法、測定・評価手法に関する研究-モデル・シラバスの開発-
Project/Area Number |
22500826
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
札野 順 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (90229089)
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Keywords | 工学教育 / 技術者倫理 / シラバス / 学習・教育目標 / 教育方法 / 測定・評価 / ケースメソッド / アウトカムズ |
Research Abstract |
1) 研究環境の整備:既存の機器に加え、本年度の助成により購入した機器を設置することにより、金沢、東京、室蘭、北九州、八代の5地点を結んでビデオ会議を実施できるシステムを構築し、運用をはじめた。これにより、経費の節減、研究組織内の情報の共有などが進んだ。 2) アンケート調査およびインターネット上に公開されている情報を基に、計211の技術者倫理教育科目の分析を行った。その結果、現状では、学習・教育目標、内容、方法、測定・評価について、我が国の技術者倫理教育が多様な形で展開されていることが確認された。具体的な分析結果の一部を述べると、学習・教育目標については、広範な領域の概念や理論の「理解」の他、問題解決能力やコミュニケーション能力などを含める科目が多く、技術者倫理教育に求められる実践的な能力育成が目的として広く認められていることがわかった。また、学習内容については、「安全」「倫理学理論」「科学技術論」「技術者の地位」「法律」「リスク」「企業倫理」などが頻出したキーワードであった。測定・評価手法としては、「レポート」と「試験」とを併用するケースが多い。 3) 平成23年2月26日(土)に技術者倫理教育のワークショップを開催し、約40名の参加者を対象に、研究代表者と連携研究者3名が、上記のシラバス調査の結果、企業における技術者倫理教育の現状、海外の動向などを報告した。 4) 研究代表者および連携研究者(辻井)が、それぞれ、欧州(スロバキア)、シンガポール、米国で開催された工学教育・技術者倫理関連の国際会議に参加し、世界各地の技術者倫理教育の現況について調査した。突起すべき成果としては、a)欧州を中心とした技術者教育認証における技術者倫理の位置付けの確認、b)米国を中心に行為の「善い」側面を示す技術者倫理の動向の認識、c)海外ネットワークの強化などが挙がられる。
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