2011 Fiscal Year Annual Research Report
技術者倫理教育の目的、方法、測定・評価手法に関する研究―モデル・シラバスの開発―
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22500826
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
札野 順 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (90229089)
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Keywords | 工学教育 / 技術者倫理 / 学習教育目標 / シラバス / モデル・シラバス / CDIO / 教育方法 / JABEE |
Research Abstract |
1)平成22年度に実旅した技術者倫理関連科目に関するシラバス調査(211科目)の結果を踏まえ、平成23年度には、日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定を受けている教育プログラムを対象にしたアンケート調査により、147科目のシラバスを収集し、教育目標、教育内容、方法、教育成果の測定・評価方法などについて分析を行った。その結果、教育目標については、「~ができる」という形で表現される達成目標として記述されるものが多く、「理解」、「判断力」、「分析力」などが挙げられていた。しかしながら、前年度の調査結果同様、教育目標の多くは抽象度が高く、多様な解釈を許すものとなっている。 2)上記の結果を、国際的に検討できるようにするために、International Engineering Allianceが2009年に発表したGraduate Attributes及びCDIO Initiativeが2011年に公表したCDIO Syllabus version 2.0における技術者倫理関連教育目標群との比較・対照を行い、整理した。 3)平成23年2月12日に日本工学教育協会主催の技術者倫理教育ワークショップを開催し、調査結果を報告するとともに、参加者(約40名)と技術者倫理教育の現況と課題について検討した。 4)別件で来日していたMichael Davis教授(イリノイ工科大学)を招き、米国における技術者倫理教育に関する意見交換を行った。Davis教授によると、本研究のようなシラバス調査は米国において実施された例はなく、米国の技術者倫理教育は担当教員の関心や学問的背景に大きく依存しているとの印象を持っているとの見解が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度に実施する予定であった技術者倫理教育の教育目標に関するデルファイ法による調査が、国内調査の結果を整理し、国際的な教育目標(特に、2011年6月末に公表されたCDIO Syllabus ver.2.0)と比較対照するのに予想よりも時間と労力を必要としたため実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
学習・教育目標および内容に関するデルファイ法による調査を5月~7月にかけて実施し、その成果を8月23日に予定されている日本工学教育協会第60回工学教育研究講演会で発表する。そこでの議論を踏まえ、モデルシラバスを作成し、11月に開催を予定している技術者倫理教育ワークショップで参加者とともに検討する。
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Research Products
(3 results)