2011 Fiscal Year Annual Research Report
フライトシミュレーターを利用する模型飛行機の設計製作を主題とする創造教育
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22500827
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
丹羽 昌平 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (30023287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊田 勝 静岡理工科大学, 理工学部, 客員教授 (90410505)
前川 昭二 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (50358694)
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Keywords | 科学教育 / 航空宇宙工学 / フライトシミュレータ / 創造教育 / 航空機設計 / 模型飛行機の製作 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,もの作りのための創成教育やプロジェクトの遂行を目指すPBLの教育システムの一つの形を提案し,その教育方法を確立することである。この教育システムでは,模型飛行機の設計製作という目標のもとで,航空機設計の理論の基礎を学習しながらコンピューター上でCADシステムやモデリングソフトを用いて模型飛行機を設計する。また,フライトシミュレーターを利用して試作機の試験飛行を行う。設計と試験飛行を繰り返して試作模型飛行機をコンピューター上で完成させる。次に,バルサ,EPP,CFRPなどの材料を用いて模型飛行機の製作に移り,実物を完成させて試験飛行を行う。具体的には次の各項を含む内容の教育の実行を試みた。 1.航空工学と航空機設計に関する基礎的事項を学習しつつ模型飛行機の設計製作を行うための構想を練る。 2.コンピューター上でCADシステムやモデリングソフトウエアを用いて模型飛行機を設計する。 3.フライトシミュレーターを用いて試作機の試験飛行を行い,模型飛行機をコンピューター上で完成させる。 4.バルサ,EPP(発泡ポリプロピレン),カーボンFRPなどの材料を用いて機体の製作を行う。 5.駆動部分や制御部を付加して電動模型飛行機の製作を行い,実物を完成させて試験飛行を行う。 6.必要に応じてコンピューター上の設計に戻って機体の改良を行う。 7.試作機の設計製作の過程を振り返って,最終的に得られた飛行性能と比較しながら検討を行う。 このような教育を,静岡理工科大学の創成教育カリキュラム「創造・発見」の中で実施しながら,大学の既存のもの作りの教育環境を利用して実践的な理論から実物の製作までの学習ができるような教育システムの開発を行う。またその教育に関して,教育内容の検討実施方法の計画,必要な教具・教材の整備実施結果の検討の各段階での実施の成果を取りまとめて,教育方法の詳細を検討するとともに、本教育の教育システムとしての効果を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CADを用いる模型飛行機の設計、そのフライトシミュレータへの移植と飛行実験、模型飛行機の実機の製作と飛行実験などの本研究の基本的な要素に関して、平成22~23の2か年間に静岡理工科大学の教育カリキュラム上で試行的に実施し、本教育システムの実現性と有効性についておよその見通しを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)最初にCADなどで設計を行った模型飛行機の初期設計モデルについて、機体および飛行に関するかなりの数のパラメータを求めてフライトシミュレータ上で飛行するフライトシミュレータモデルを決定する必要がある。また、それを実際に飛行させるためには製作上の問題も考慮に入れた実機モデルが必要となる。これらの3者のモデル間の変換が容易に行えるような方式を確立することが必要である。 (2)このシステムを用いた教育を受ける学生が限られた時間の中で内容を理解して強い関心を持ち、想像力を発揮して教育に参加してくれることが重要である。そのために、できるだけ容易に活動が行えるシステムとすることを計画している。
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