2012 Fiscal Year Annual Research Report
身近な画像入出力家電を分析機器に転用した新規実験法の開発
Project/Area Number |
22500841
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菊地 洋一 岩手大学, 教育学部, 教授 (50241493)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水質分析 / 簡易分析 / 多元素同時分析 / デジタルカメラ |
Research Abstract |
本研究の目的は,一般に普及している画像入出力家電を実験装置・計測機器として転用し,学校教育等における科学実験の可能性を広げる新たな実験法を開発することである.平成24年度は,本研究の最終年度に当たる.本研究の全体計画では上記の手法による具体的な研究課題として次の2つを挙げている.「(1)発光現象を利用した水質分析」と「(2)スモールスケール比色実験における高精度デジタル計測」である.これらの課題について今年度は平成22-23年度の成果を基に,さらに高度な測定課題に挑戦した.具体的な内容と成果は以下のとおりである. 1.「(1)発光現象を利用した水質分析」では,22年度にNa+とCa2+の分析法を検討し,良好な結果を得ている.24年度は天然水中の微量成分であるLi+を対象として検討を行った.その結果,炎色反応では赤色を示す金属は複数あるが,Li+は簡易分光器でも十分に分離可能なことから他元素の干渉を受けずに分析が可能であること,およびカメラの設定によって測定の感度を大幅に向上できることを見出した.しかし精度の面では改善の余地がある.よってLi+の高感度分析は十分な可能性があることを明らかにできたが,さらに分析法の完成度を高めることを今後の研究に引き継ぐこととした. 2.「(2)スモールスケール比色実験における高精度デジタル計測」では,測定したデジタル画像上のRGB値について,これまでは単独の値のみで分析を行っていたが,24年度はRGB値を複合的に扱い複数元素を同時分析する方法について検討した.その結果,河川水中のFeとAlをオキシン錯体として少量の有機相に抽出し,同時分析する方法を開発した.河川水の分析にも応用し,良好な結果を得た.この分析法は,簡便で,高感度,高精度な分析法として大変有効な方法である. 3.最後に,本研究の総括を行い,本研究の成果と課題を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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