2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化マップによる子どもの科学的表現能力の評価法の開発
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22500849
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松原 道男 金沢大学, 学校教育系, 教授 (80199843)
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Keywords | 自由記述 / 自己組織化マップ / 評価法 / 科学的表現力 / webアプリケーション / TIMSS |
Research Abstract |
本研究では、理科におげる科学的表現力を育成する観点から,子どもの科学的な記述を自己組織化マップによって評価するシステムの開発を行うことを目的とした。平成22年度に開発を行った自己組織化マップによる評価システムの試行版(VB.NETによる)は、デスクトップパソコン仕様のため、本年度はweb版の開発を行った。web版の開発は、次の問題点の克服や対応を意図した。子どもの記述内容についてのデータの保護を行う、多くの関係者が同時に活用できるようにする、システムの改善をすぐに反映できるようにする、ことである。web版の開発にあたっては,これまでのVB.NETを用いている形式を継承するため,ASP.NETを用いて作成した。運用にあたっては,Windowsサーバーを大学内に独自に立ち上げた。システムは、これまでと同様に、問題に対して自由に解答を行うと、自分の解答が自己組織化マップに位置づけられ,その位置づけられた色や近隣の色から正誤について評価ができるものである。また,自分の解答に近い解答が近隣に配置されて,近隣の色をクリックすると解答例が参照でき、正誤の判断を比較して行えるようにしている。問題は、TIMSS2007の記述問題を用いた小学生用と中学生用の各12問である。さらに、今年度は、試行的に「大気圧」に関する中学生用問題2問を作成し、約160人の生徒からの解答を得た。その解答を分析しシステムに組み込んだ。以上のシステムの動作については、理科教育関係者6人にサーバーへのアクセスを求め、システムの動作チェックを依頼した。その結果、適切に動作することが明らかになった。現在、システムはweb上に公開され、一般に利用できるように運用している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度においては、自由評価システムのweb版を試行運用できることを目標としていたが、web版を作成し専用サーバーを立ち上げ、本格的な運用を行うことができた。また、システムの動作についても理科教育関係者の協力を得て、適切に動作していることが確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
システムの動作に関する開発はほぼ完了している。今後、新たに小学生用および中学生用の問題を協力校で実施して分析し、システムの中に組み入れる。これらの問題については、自己組織化マップの表示について、正誤だけでなくたとえば5点満点で点数化したものが表示されるようにする。また、システムの利用方法について、システムの画面を映像化した操作マニュアルを作成しDVD化する。システムの開発理論や開発に関わる研究報告、システム利用における学習効果等の研究成果を報告書にし、これらもDVDの中に収め理科教育関係者に配布する。
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