2012 Fiscal Year Annual Research Report
疑似科学的信念を規定する科学的態度と認知バイアスの研究
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22500850
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菊池 聡 信州大学, 人文学部, 准教授 (30262679)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | クリティカルシンキング / 疑似科学 / 認知バイアス |
Research Abstract |
疑似科学に対する信念を規定する諸要因を明らかにするため、長野県内の現役の学校教員151名(男性43名,女性108名)を対象として質問紙調査を実施した。調査項目は、前年度に行った高校生608名の調査と対応しており、教員と生徒の疑似科学的信念を比較して分析を行った。多変量解析の結果、疑似科学信念を中心とした超常信奉と「科学的限界感」は、両群とも正の関係を示したが、「科学への好意」との関連は、生徒群では正の関係だったのに対して、教員群では負の関係を示すという逆の結果になった。これは、高校生では疑似科学と科学が適切に識別されずに好意的に受け取られている可能性を示すものである。調査結果は平成25年度の日本教育心理学会にて報告を予定している。 三年間の研究のまとめとして、疑似科学と認知バイアスにかかわる批判的思考教育の教材を新たに作成し、これを利用して、文系学生に対する半期の講義を行った。この講義を通して、受講生から教材に関する評価を収集し、受講生の個人差変数との関連について分析を行った。また、これらの教材や研究データを教育現場に還元するために一般向けの書籍にまとめ、化学同人から単著『なぜ疑似科学を信じるのか』として出版した。 批判的思考と超常現象に関する優れた教育実践を調査するために、英国ケンブリッジ大学に短期滞在し、関連する研究者とディスカッションを行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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