Research Abstract |
本研究では,理科教員の資質向上のために,地域や日常生活に内在する教材資源を活用した教材開発や教材研究を通じて理科内容のより高度な理解を助け,現職教員の理科教材開発を支援することでその資質の向上が促されるよう,アクションリサーチ型の研修教材および研修プログラムを構築することを目的としている。本年度は,実態調査,素材の発掘および教材内容の検討を行った。 実態調査では,現職の理科教員に対して,教材開発や教材研究の意義やその有効性,必要なサポート体制かなどについて,アンケートやインタビューによる調査を行った。その結果,ほとんどの理科教員は,教材開発や教材研究に対して児童・生徒の興味関心を高めるのに有効であると考える一方,教材開発によって自身の資質を高められるとは考えていないことが分かった。また,予算的なサポートを望む声が多かった。素材の発掘および教材内容の検討では,分野ごとに次のような検討を行った。物理分野では身近な物理現象として静電気を取り上げ,それを検出する装置の製作および実践を通じて,教材開発の方向性を探った。化学分野では,身近な化学物質や,化学物質のリサイクルに着目した教材内容の検討を行った。生物分野では,骨と筋肉のつながりの教材開発と試行的実践,相利共生の実験教材の開発,DNA分析の実験教材の開発と試行的実践を行い,それらの研修プログラムとしての方向性を探った。地学分野では,流水のはたらきを題材とした地域教材の発掘と試行的実践を行った。さらに,探究活動による理科的資質の向上への効果を,大学生への実践を通じて検証した。以上の成果については,WEBページのコンテンツとしてデータベース化を検討中である。
|