2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500855
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
前田 英雄 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (90094044)
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Keywords | 教材開発 / 栄養素の可視化 / 生活リズム / ネオジウム磁石 / 無機質 / 鉄 |
Research Abstract |
平成23年度より全面的に新学習指導要領の実施が行われる。特に小学校ではこれまで中学校の内容であった栄養素について五大栄養素と食品の体内での主な働きを中心に扱うことように改訂が行われた。食前の教育として、食品は子どもが比較的理解しやすいが、食品の中に含まれる栄養素については、それを概念的に捉えており、また、目で見えることができないため多くの教育現場でも子どもに教育し、それを理解させるのが難しい内容である。今年度はそれらの栄養素の中でも無機質に焦点をあてて研究を行った。脂質はサラダ油等を見れば、また、たんぱく質は肉や卵、炭水化物は米や小麦粉等を見せれば概ねそれらの栄養素を理解できるが、無機質やビタミン等は含まれる量が少なく見えないため教員側にとっては教えるのが難しい内容である。本年度は、無機質の中でも鉄をとりあげ、鉄がネオジウム磁石にくっつく性質を利用した教材開発を研究した。食品の中に鉄が多く含まれると言われている乾燥パセリは、メッシュ(600~200μm)で3種類に分類して白ペンキでコートしたネオジウム磁石との附着実験をおこなった。さらに動物性と植物性由来の23種類の食品(長ひじき,カットわかめ,青のり,煮干(肝臓),花かつお,鶏レバー,切り干し大根,凍り豆腐,冷凍枝豆,小松菜,ほうれん草,いりごま,大豆,パセリ,バジル(自家製),タイム,コショウ,アーモンド,煎茶,紅茶,きくらげ,バジル(市販),ココア(ピュア))を灰化し、磁石との反応性を観察した。さらにこれらの灰化した食品を弱酸性溶液で溶解し、その上清を鉄測定用試験紙および分光学的方法により含まれる鉄量を測定し,比較検討した。その結果、磁石への附着状態、鉄試験紙および分光学的に測定した3つの鉄量が概ね一致した。来年度、高等学校あるいは中学校でその教材についての有効性を検討する。
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