2011 Fiscal Year Annual Research Report
IT人材育成における産学連携を促進するためのデータ収集・分析システム
Project/Area Number |
22500858
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
掛下 哲郎 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (10214272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 美佳 佐賀大学, 工学系研究科, 講師 (20315138)
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Keywords | 教育工学 / 科学教育 / 教育成果 / 要求分析 |
Research Abstract |
情報通信技術(ICT)の社会的影響が増大する中で,高度な情報系人材の育成は産業の国際競争力を増大させるためにも,政府や地方自治体を含む様々な組織の運営を効率化する観点からも重要性が高い.情報系の高度な人材を育成するために大学、産業界、政府等では種々の取り組みが行われているが,それらの取り組みの関連は明確とは言えず,産業界からは情報専門教育に対する産学の取り組みにミスマッチがあるとの指摘も良く聞かれる. 上述したミスマッチの内容を定量的に分析するために,本研究では情報処理学会・情報処理教育委員会の協力も得てJ07フォローアップ調査を行っている.J07フォローアップ調査では,大学・大学院における情報専門教育の成果および,産業界が情報系大学・大学院の修了者に求める能力を定量的に調査分析する.情報処理学会,産業界,教育機関,学生など様々な立場の関係者が分析結果を共有することで,情報系の人材育成に関する産学官の相互理解を促進するとともに,J07後継カリキュラムの検討にも資することを目的としている. 平成23年度は、情報処理学会理事会,日本経団連,JISA,JUAS,IPA,日本技術士会等に協力を要請し,58名の回答者から89件の要求レベルデータを収集した.要求レベルデータのうち48件は情報分野の修士修了者に対する要求,41件は学部卒業者に対する要求である. また、情報系の教育機関(大学、大学院)およびそれらの教育機関の卒業生に協力を要請して達成度レベルデータを収集した.達成度レベルデータのうち16件は修士課程修了者の達成度、76件は学部修了者の達成度、19件は教育機関(学部)の達成度(トップレベル、平均レベル、最低レベル)、23件は教育機関(修士)の達成度を示すデータである. さらに、我々は情報処理学会が提案した情報専門カリキュラムJ07の5つの専門領域(CS、IS、CE、SE、IT)を分析して、専門領域毎の要求レベルデータを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9にも述べたように、平成23年度は各種機関の協力も得てかなりの数の要求レベルデータや達成度レベルデータを収集できた.これらに対する各種の分析(調査項目毎の重要度分析や要求レベル/達成度レベルの分布状況に関する分析など)も進めつつあり、交付申請書に記載した目的の達成に向けて順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、収集した要求レベルデータおよび達成度レベルデータを、様々な観点から分析するとともに、ミスマッチを起こしている原因を突き止めるための研究を進める.その過程で、調査に協力して頂いた産業界や大学等の機関および学生に対しても分析データをフィードバックし、相互理解を促進するための取り組みを勧めたいと考えている.研究成果を積極的に公表することを通じて、関係者に対する認知度を高め、より多くの達成度・要求レベルデータが収集できるように努めたい.
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Research Products
(4 results)