2010 Fiscal Year Annual Research Report
生物教育内容のネットワーク型構造化による単元構想力と教材研究力の育成
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22500860
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡邉 重義 熊本大学, 教育学部, 准教授 (00230962)
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Keywords | 生物教育内容 / ネットワーク型構造化 / カリキュラム / 単元構想力 / 教材研究力 / 教員研修 / 探究 / 教科書 |
Research Abstract |
教員の単元構想と教材研究に関する実態調査については、本研究のための予備研究として実施していたエネルギー関連の教材に関する単元構想と教材研究について一事例を提示し、生物教材に関しては単元構想が記された指導案の収集を行った。しかし、分析に必要な種類と数が集まっていないので、次年度も引き続き収集を行う。また、教員による単元構想力の実態は、予備的に化学領域について簡単な調査を行った。平成23年度は生物領域について調査できる機会があるので、本年度の方法を修正した方法で調査を行う。海外の事例調査については、アメリカの高等学校生物教科書9種類の分析を行い、生物教育内容の構造化について、次のような点を見出した。(1)Concept/Idea/Theme等で内容を構造化したり、コンセプトマップでまとめを行ったりしていた。(2)生物学の導入に続く次の単元は、細胞や生態学が多く、物質とエネルギー、進化、原子・分子から始まる教科書もあった。(3)内容のバランスが取れた3種類の生物教科書では、細胞→遺伝→分子生物学→進化という内容の配列は共通していた。(4)6種類の教科書は、導入または次の単元で生物学に関連した化学の基礎を扱っていた。(5)観察・実験が、簡易実験、探究的な実験、データ分析など数種類に分けられ、各章に配置されていた。(6)教科書とリンクして用いるインターネット教材が充実していた。(7)キャリア教育、STSアプローチ、日常生活や社会生活との関連性が強調されていた。(8)生物の分類群ごとの説明が詳しかった。(9)探究が生物学習の鍵になっていた。ネットワーク型構造化モデルについては、日本の新学習指導要領のカリキュラムを対象にした関連づけのモデルを作成し、それを利用した単元構想の演習を教員研修で実施した。
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