2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の化学技術者育成の基盤となる体験型環境教育カリキュラムの構築
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22500869
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
大嶋 正人 東京工芸大学, 工学部, 教授 (20223810)
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Keywords | 環境教育 / 体験型教育 / 水質調査 / 実験実習 / 資格教育 / 公害防止管理者 / フィールドワーク |
Research Abstract |
1.昨年度は研究実施計画に基づき、手の加わっていない山間部の渓流のデータを加えた。新しい採水地点は、上流に人家が1件しかない地点であり、その人家もやや離れていることから、この地点の採水から得られるデータは人間の生活圏外のデータとして比較検討の際に貴重なデータとなった。 2.次に、初年度はノルマルヘキサン抽出物など設備の不備により十分なデータが取れなかった項目があったので、設備の拡充を行った。ノルマルヘキサン抽出物の測定には通常の水質検査で用いられているものと同じ振盈機を導入し、良質な測定データが得られるようにした。また、廉価ではあるが、溶存酸素計の台数を増し、採水の際に溶存酸素をその場で測ることにした。これにより現地でpH,EC,DOを測定することができるようになり、内容がより充実した。 3.公害防止管理者の団体受験は試行期間も含めて3度目となり、毎年20名前後が受験している。課外の資格講習を増し、夏休み前の2回は夏休み中の勉強の方針、次の試験の予想等を行い、10月の本番の試験の前の1回は直前の仕上げを集中的に行った。その結果、当初の目的の一つである公害防止管理者(水質1種)に学生で初めて合格者を出すことができた。 4.これらの活動をまとめ、昨年度は「かながわ発・中高生のためのサイエンスフェア」(横浜そごう)、「夏休みサイエンススクエア」(国立科学博物館)、「あつぎ環境フェア」(厚木市)、「みんなの環境展」(厚木市)、「わくわくキッズ★エコ体験」(厚木公民館)で展示・実演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は本計画の1年目にあたる一昨年度の実施において見つかった不備な点が修正されたほか、装備の拡充、採水地点の充実などが実施でき、水質調査の体制は整ったので、縦のつながりをめざす本年度の計画を支障なく進められる状況である。また、これまで履修した学生も卒業研究で環境分析を希望する者が増えたほか、就職活動で環境に関連した方面を志望する際に本カリキュラムによる体験が多少の実績となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.3年次に実施してきたが、2年生の学生実験の一部を修正することで、2年生も参加できるように改め、本実験の異なる部分を2年間にわたって履修でき、また学生同士縦のつながりができるように改めることにした。 2.分析項目の追加。2年生を中心にしてキレート滴定による水の硬度の分析、過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定で化学的酸素要求量(COD)の分析を行う。 3.資格試験の課外実習の充実を図る。昨年度合格者を出すことができたことにより、学生に関心が高まっていることを受け、課外実習を一層充実させるようWebを活用した学習を取り入れる。
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