2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の化学技術者育成の基盤となる体験型環境教育カリキュラムの構築
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22500869
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
大嶋 正人 東京工芸大学, 工学部, 教授 (20223810)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境教育 / 体験型教育 / 水質調査 / 実験実習 / 資格教育 / 公害防止管理者 / フィールドワーク |
Research Abstract |
1.昨年度は研究実施計画に基づき、2年生が参加できるように改め、本実験の異なる部分に2年間にわたって参加できるようにした。これにより、2年次では先輩とともに実験にあたり、3年次ではフィールドワークで後輩の指導しつつより高度な分析を履修するプログラムとなった。 2.分析項目の追加した。2年生を中心にしてキレート滴定による水の硬度の分析、過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定で化学的酸素要求量(COD)の分析を行うようカリキュラムを改め、実施した。 3.公害防止管理者(水質I種)の団体受験は試行期間も含めて4度目となり、平均して20名前後が受験するようになった。夏休みに行う課外の資格講習講座を外部講師も含めて8回実施し、それらのうち、最終回は10月の本番の試験のタイムテーブルに従った模擬試験を行った。その結果、一昨年度に引き続き学生1名が合格した他、7名の部分合格者を出すことができた。また、甲種危険物取扱者についても学生2名が合格した。 4.これらの活動をまとめ、昨年度は「かながわ発・中高生のためのサイエンスフェア」(横浜そごう)、「夏休みサイエンススクエア」(国立科学博物館)で展示・実演を行った。 5.これまでに構築した教育カリキュラムとその成果についてまとめ、横浜で開催されたIUMRS-ICEM 2012でConstruction of water quality experiments in conjunction with qualification education for students in chemistry by using water environment around Atsugiという標題で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
このカリキュラムでは公害防止管理者の試験に出題される内容を取り入れ、学修成果の仕上げとして学生が公的資格を取得することにつなげることを狙っている。本研究の目的の他の部分と異なり、学生の興味を喚起し他だけでは不十分で、学生が受験のための勉強を自発的にしなければ達成できないことであるから3年目で2名が公害防止管理者の資格を得たことは本学の学生の平均的な学力から推して順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.分担をして多くの環境分析を行い、たくさんのデータを見て考察をする形式が概ね確立したが、考察を重ねる部分については十分な訓練ができているとは言えない。考察の出発点となる観察にやや不足を感じているので、今後は観察とそれに続く考察の訓練の指導を強化してゆく。 2.課外講習により、順調に資格試験の合格者が出ているので、課外講座についても指導内容が体系的になるよう整え、計画的に部分合格を重ねて継続的に資格取得者を輩出することを目指す。 3.化学系の学科における“環境”に対するこれまでの取り組みの成果発表や対外的な発信を積極的に行う。
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