2011 Fiscal Year Annual Research Report
モーションキャプチャと3D立体表示ディスプレイを併用した舞踊教育支援法の開発
Project/Area Number |
22500876
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 信一 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 教授 (50210969)
|
Keywords | モーションキャプチャ / 3D立体表示 / 裸眼立体視モニター方式 / 3D眼鏡を使用したプロジェクタ方式 / 教育活用 / 教育効果 |
Research Abstract |
本研究では、様々な舞踊教育の現場において、モーションキャプチャシステムと3D立体表示コンテンツを教育活用のために併用することにより、その教育効果を確かめることを目的としている。 このプロジェクトの2年目となる本年度の研究実績は、次の2点である。 1.舞台役者養成所の学生および講師の舞踊を慣性式モーションキャプチャで計測し、自主学習用を目的とした5スタイルのCGを作製した。そして実際に舞踊を学ぶ学生に1ヶ月間そのCGを活用してもらい、モーションキャプチャによるCGの評価、およびその効果について検討した。その結果、CGのスタイルとしては人間の骨格を簡単に表したような表現が、手や足の回転がわかる上に、軸の傾きなども見易いとの評価を得た。そのCGを用いて学習した結果、講師の求めるような上達が見られた。服や肉を削ったCGにすることで、自分を客観的に見ることができ、軸や重心等のポイントを客観的にとらえられる等の効果があるごとが明らかになった。 2.神楽継承用の教材として立体視CGにどれほど効果があるかを明らかにするため、モーションキャプチャのデータをもとに作製した立体視CGの評価を行った。高校生約200名を対象に、3D眼鏡を採用したプロジェクタと裸眼立体視モニターの2方式の立体視CGを視聴してもらい、その評価についてアンケート調査を行った。その結果、3D眼鏡をかけた立体視の方がよいとの回答が多く、没入感やリアリティーの高さが教育に役立つことが明らかになった。また、神楽の師匠と弟子たちにインタビュー調査を行った。その結果、全員が裸眼立体視がよいと答えた。明るくはっきりしていることがその理由だった。立体視CGは複雑で理解が難しいものに対して学習者の理解を助ける役目が期待されているととが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北大学は東日本大震災により大きな被害を受けたが、幸い本プロジェクトに関わる機器は無事であり、当初の予定通り研究を進めることができた。舞台役者養成所と神楽継承教室という2つの教育現場を研究対象にすることができ、当初の計画はおおむね順調に進展していると評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、様々な舞踊教育の現場において、モーションキャプチャシステムと3D立体表示コンテンツを教育活用のために併用することにより、その教育効果を確かめることを目的としている。 平成22年度は、教育現場で活用するためのコンテンツを作成した。昨年度は、そのコンテンツを舞台役者養成所と神楽継承教室という2つの教育現場を研究対象に、実証実験を実施した。来年度は、この2つの教育現場においてさらに詳細に実証実験を実施しさらに詳細な研究成果を得ると同時に、その他の教育現場においても同様な実証実験を実施し、その汎用性を明らかにする予定である。
|