2011 Fiscal Year Annual Research Report
重度視覚障害者にオブジェクト指向プログラミングを教育する環境の構築とその普及
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22500877
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
長岡 英司 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30227996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 愛美 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (60447258)
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Keywords | 視覚障害 / プログラミング教育 / オブジェクト指向プログラミング / 触覚的オブジェクト / 点字ディスプレイ端末 / 音源データ / 教育資源 |
Research Abstract |
1プログラミング応用教育の環境の開発 プログラミングの応用実践を視覚的な題材によって教育するための環境の基盤を構築した。 (1)視覚的オブジェクトへのアクセス方法の確立 画面上に表示される視覚的オブジェクトを処理するプログラミングを非視覚的に行う可能性を検討した。テキスト記述による方法を導入し、複数の視覚障害者にそれを試行させた結果、単純で静的なオブジェクトについては、(1)形状や配置等を制御できること、(2)概要を聴・触覚的に把握できること、等を確認できた。 (2)視覚的オブジェクトへのアクセシビリティを向上させるための環境の整備 視覚的オブジェクトのテキスト記述においては、形状や配置を規定するパラメータなどを効率よく読み書きできることが肝要であり、それがアクセシビリティの向上をもたらすことが分かった。そこで、テキストエディタの点字表示の改良を検討し、点字行折り返し機能を開発して付加した。従来の点字表示では、テキストの行長が点字ディスプレイ端末の表示桁数を超える場合に触読のための操作が煩雑になり、読みの能率や精度が低下したが、新機能によりそれが改善され、テキスト中のパラメータ等の一覧性が向上した。 2プログラミング基礎教育用教材の開発 オブジェクト指向プログラミングの基礎を非視覚的に確実に学べるようにするための教材を開発した。 (1)オーディオ出力の利用研究 プログラムの実行の状況や結果を把握するためにオーディオ出力を用いる方法について検討し、wav形式の音源データ等の利用の可能性を確認した。 (2)教材の試作と改良 オーディオ出力を活用する題材等による教材を点字版とテキストデータ版で制作し、複数の視覚障害者の学習に供して評価した。それにより、非視覚的環境でのプログラミング学習の特性や教材のあり方についての知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育環塊の実現に欠かせないプログラミング支援システム関連の開発や教材の試作・評価等が、学内外の人材の協力を得て順調に進んでおり、中間目標をほぼ達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの開発成果を統合して学内外の関係者による評価を受け、必要な改善・改良を施して完成度の向上を図る。
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