2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペンベース携帯端末を活用した授業支援システムの開発とその応用に関する研究
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22500887
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
藤本 光史 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20270241)
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Keywords | 教育工学 / ユーザインタフェース / ペンベース携帯端末 / 授業支援システム / 数式処理システム |
Research Abstract |
本研究は、小テストなどの短時間使用に適したペンベース携帯端末利用の授業支援システムの開発を主目的とした総合研究である。今年度は5年計画の2年目であり、主として小学校教科書の単元調査とシステムの試験的な実装を行った。 1.小学校教科書の単元調査 今年度は昨年度実施したNintendo DS及びiPhone用の教育ソフトに関する調査をさらに進めた。Nintendo DS用の7本の教育ソフトについて、「手書き文字の認識精度」などのユーザインタフェースに関する部分と、「励まし機能の有無」などの教育的配慮に関する部分を調査した。この調査結果から、昨年度策定した「ペンベース型教材適合基準」をより実態に合うよう修正を施した。そして、この修正した基準に基づき、小学校新学習指導要領に準拠した教科書の各単元について「ペンベース型教材適合度」を調べた。 2.システムの試験的な実装 ペンベース型教材適合度が高いものの中から、「これまでの伝統的な授業スタイルを侵害しないこと」や「教育効果が期待できること」などを考慮して、ターゲットとする単元として算数の「足し算・引き算の筆算(小学2年)」、「かけ算の筆算(小学3年)」、「割り算の筆算(小学4年)」を選定した。選定した理由は、「数式の手書きによる入力の簡略化」と「5分程度の短時間の利用」が期待できるからである。また、これらの単元に対する教育用ペンベースアプリケーションに必要となる基本機能とユーザインターフェースについて検討した。さらに、上記アプリを実現するための準備として、計算エンジン部分となる数式処理システムRisa/Asirをタブレット端末のiPadとAndroidに実装した。この成果は、日本数式処理学会第20回大套及びRisa/Asir Conference2012で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペンベース型教材適合基準に基づき、小学校及び中学校教科書の各単元のペンベース型教材適合度を調べる予定であったが、学指導要領の移行期で新中学校教科書の入手が困難であったため、中学校については次年度に実施することにした。しかし、小学校については予定していた4教科より多い10教科について調査した。また、算数用アプリについては、ユーザインタフェースの検討だけでなく、計算エンジン部分の実装も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はペンベース携帯端末を活用した授業支援システムの開発とその応用を目指す調査・設計・開発・応用から成る総合研究であり、今年度中に調査・設計が完了する予定である。来年度は開発に専念し、タブレット端末用のペンベース型アプリケーションの実装を行う。そして、最終年度に応用として、それを利用したペンベース型教材を作成し、アプリと教材の有効性評価のために実証授業を行う予定である。
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Research Products
(2 results)