2011 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の体系的情報教育の在り方とカリキュラムの方向性
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22500893
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
本村 猛能 群馬大学, 教育学部, 教授 (70239581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 和博 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80145177)
森山 潤 兵庫教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (40303482)
山本 利一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80334142)
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Keywords | 情報教育 / 教科「情報」 / 学習評価 / カリキュラム / ブルーム / ペレグリーノ |
Research Abstract |
本研究は諸外国の各学校段階の学習課程における生徒の「自己評価による意識調査」の診断を通して,体系的な情報教育の在り方を検討することを目的とする。そこで,中学・高校そして大学の情報教育の教授内容を視野に入れて,一連の情報教育のカリキュラムの流れについて,日本と中国・韓国・ヨーロッパ等の国の調査により比較検討することとした。 調査のための評価内容は,2000年度よりブルーム(Bloom,B.S)等による「認知・精神運動・情意」領域を精査した教育評価理論に,2007年以降ペレグリーノ(Pellegrino,J.W)の評価理論の視点を踏まえて検討してきた。我々の提案する体系的情報教育とは,文部科学省の示す目標と,坂元・東等の提案した『情報教育における理解力と技能』の両者を前提とする。 実際には,各調査国で調査した地域のデータに限られるが,それぞれの国での情報に関するカリキュラムを踏まえ,我が国の情報教育の内容を前提として調査検討している。23年度までの結果は,中学校では中国が情報教育の認識が高いものの,体系的には韓国が最も認知度の低下がなく,各学校段階での教育が持続していた。 特に「情報の科学的理解」について韓国は,有意に他国より高かった。我が国は,他の2要素も考慮しながら,また25年度からの高校情報のカリキュラムも踏まえ,各学校段階での情報教育のカリキュラム内容,特に情報の科学的理解と情報モラルについて,基礎的・基本的な知識の習得を中学校から体系化に教授する方法と内容を充分検討する必要性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画通り昨年9月にヨーロッパ訪問を行い,訪問国であるオランダから中学,高校から改訂した調査データを本年前半に送付して頂く予定である。本年度は本年7~9月の予定で韓国・中国を訪問し,改訂された情報教育の調査シートを依頼し,日本との比較検討の準備を行っている。 また,アジア圏の内容を強化すべく,日本・韓国・中国以外に台湾とインドネシアでの調査を実施予定であり,従来の内容と改訂された情報教育の内容を検討し,本年度は諸外国の比較・検討に入る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
-オランダからのデータ送付について- 昨年9月に訪問し調査を依頼しているので,本年上半期には届く予定である。 -今後の推進方法- オランダからのデータが届き次第,同じ改定された内容のものを日本・韓国・中国で調査する。 また,我が国では改訂された指導要領で,前回調査した同じ地域・範囲での中学校と高校での調査予定である。 国外については,4月中に打合せを行い,共同研究者が手分けして訪問し調査予定である。
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Research Products
(7 results)