2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500896
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 進一 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (50440483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 克比古 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (80329367)
中 勉 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (40148151)
高 香滋 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90175422)
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Keywords | 学びの成長 / 検証モデル / ジェネリックスキル / 大学全入時代 / 学力評価 |
Research Abstract |
平成23年度は前年度の研究成果を踏まえ、入学時学力診断・人間力調査を本格実施し、中間時人間力調査のトライアル調査とこれらの評価・分析を行った。 入学時人間力調査結果を詳細に分析したところ、評価項目のうち、思いやり、知的好奇心、数理の論理的思考能力に対する自己評価が高く、自律、活力、文章表現力、学習法のスキル、コミュニケーション能力に関する自己評価が低いことが判明した。特に、コミュニケーション能力に関してはほとんどの学科において、最も低い値を示しており顕著な傾向である。この傾向は全学科でほぼ共通しており、学科による明確な差異は認められなかった。学士力における初年次教育効果の重要性に鑑み、1年生後学期においても同様の調査を行ったが、上記の傾向に大きな変化は認められなかった。このことから、人間力の涵養は長期スパンで見る必要があり初年次では大きな変化が現れないことがわかる。他方、中間時(2年次)における人間力調査では、学科により多少の差はあるものの、各評価項目のうち多くの項目で自己評価点が下がる傾向がみられた。まだ単年度調査のため、確定的ではないが、この現象は、いわゆるソフォモアスランプであることが推測される。このような傾向が確認されたことは、学士力養成のためには、初年次教育からのコミュニケーション能力強化に加え、2年次教育において、スランプ緩和のための教育工夫の必要性が示唆され、アウトカム向上のための施策を検討するうえで意義深い調査結果であると考えられる。更に調査項目には点検・再評価を加えており、23年度調査においては評価項目を16から40項目に増やし、より詳細な分析ができるように改善した。また、アンケートを記名式に変更し、学力診断や数理系必修科目の成績との相関関係を調査できるようにした。これにより、入学時から卒業時までの"学びの成長"の検証をより効果的に遂行できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度の研究成果をもとに、入学時学力診断・人間力(ジェネリックスキル)調査と評価を本格的に実施することが出来た。また、実施に際しては、内容を再検討し、人間力調査では、内容を改善し設問数を大幅に増加し、十分な分析ができるデータ収集ができた。学力調査に関しても、入学時学力診断に加え、1,2年次の数理系主要科目の期末試験データの収集を行っており、人間力、学力ともに予備分析の段階に入っている。以上を総括し、23年度当初に立てた研究目標である「中間時の調査」の実施をほぼ達成できていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度、平成23年度の調査結果をベースに、入学時学力診断・人間力(ジェネリックスキル)調査と評価を継続実施すると共に、中間時人間力調査結果と成長評価の分析を完成させる。 また、昨年度の研究結果を踏まえ、卒業時学力診断・人間力調査と評価のトライアルを実施する。 (とくに人間力調査は予備調査の段階に入っている。) 以上の結果をもとに、入学時から卒業までを通したKIT型"学びの成長"の検証モデル構築のまとめを行い、学士力のアセスメント基準を作成する。
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Research Products
(3 results)