2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500910
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
櫨山 淳雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70313278)
|
Keywords | ソフトウェアセキュリティ / 学習環境 / 知識共有 |
Research Abstract |
本申請の研究代表者らは、グループによるソフトウェア開発演習支援環境を構築し、その環境上で大学の演習を進めてきた。本研究ではこれまでに蓄積された成果をもとに、ソフトウェアセキュリティを対象とした演習支援環境の構築を目指す。基本的な考え方は過去に助成を受け開発してきたソフトウェア開発演習支援環境とそこで作成・蓄積された成果物をベースに、ソフトウェアセキュリティの分野で重要視されているセキュリティ要求分析、セキュリティ設計、リスク分析等の各種活動を通して、セキュアなソフトウェアを開発する技術を養成する演習環境を構築するものである。この演習環境は、ソフトウェアセキュリティの知識体系を構築するオーサリングツール、演習の成果物を蓄積するリポジトリ、ソフトウェアセキュリティの知識と演習成果とを学習者が関連付ける設計根拠記録ツール、演習データ分析機能等から構成される。平成23年度は4項目の研究を行うことを計画した。その実績とともに以下で概要を報告する: 1-技術調査:文献調査並びに学会参加を通じて、国内外の研究動向について調査を行った。 2.支援環境の開発:演習環境のうち、オーサリングツール並びに学生が演習で作成する成果物と知識体系との関連付け、設計根拠を蓄積する機能の設計・開発を行うことを目標とし、そのプロトタイプ開発を行った。その成果を国際会議と国内の研究会に発表した。 3.知識体系の構築:(1)の成果をもとに、知識体系化のための概念モデル(メタモデル)を提案するとともに各知識項目の研究動向についてまとめた。その結果を国内の研究会に発表した。 4.予備実験:支援環境を利用した予備実験を行う予定であったが、知識体系化のための概念モデルを構築しなおしたことにより、支援環境の一部を構築しなおす必要が発生したため、この項目は次年度に継続実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画した4項目のうち3項目について研究を遂行し、支援環境の構築と知識体系化に関するサーベイ論文という実体をともなった成果をあげることができた。そして、これらの成果を国内外の学会等で発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題は支援環境の改良、知識体系の完成、実証実験の3点ある。 1.支援環境の改良:知識体系化の成果に基づいた支援環境の改良と、構築された知識を有効活用するためのナビゲーション支援機能の検討と実現があげられる 2.知識体系の完成:現状の動向の把握ができた。その結果、知識の一部が関連ついていないことが分かった。その関連付けができると大きな成果になるので、この問題に挑戦していきたい。 3.実証実験:1の改良した支援環境上に2の知識体系を構築し、その知識を利用したセキュアソフトウェア開発の実証実験を行っていく。
|
Research Products
(5 results)