2012 Fiscal Year Annual Research Report
伝統技能の保存と継承のためのマルチメディア活用技術の開発
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22500929
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大渕 慶史 熊本大学, 工学部, 准教授 (10176993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 英俊 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10153917)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マルチメディア / 教育工学 / 設計工学 |
Research Abstract |
職人の高齢化と後継者不足により個人に特化した技術・技能の直接的な伝承が困難となった背景より,マルチメディアを活用したデータベース化により伝統技能の保存と継承を可能にすることが目的である.木造の漁船を対象とし,製作過程の記録文書,写真,動画のデータベース化を行うとともに,新しいメディアの活用による技能保存の可能性を検証するため,当該年度は以下のことを行った. 3次元CADによる製作工程の表現をさらに詳細に行い,部品製作と組み立て工程を分離せず,組み立てながら製作を進める実際の工程を表現可能にした. さらに上記で作成したモデルに対してCAE解析を行うことで,乗船時の応力分布と進行時の流体解析による評価が可能となり,職人の経験の蓄積と継承により製作された船の構造と形状が最適設計に近いことが明らかになった. また,前年度に引き続き,手や指先等の細かい動きを再現するために自作した指先のボーンモデルを用いて手と指先の動きをモーションキャプチャで記録し,手指を使った動作の熟練者と初心者の評価を行った結果,両者の動きに定量的な差があることを明らかにした.この手法は,対象としている船大工の作業以外にも広範囲に利用できる方法であり,技能・技術の伝承に有効であることが分かった. 一方,動作の観察のみからでは分からない作業時の力の入れ方,勢いのつけ方なども記録が必要であるため,数種の運動における筋電位信号を計測・評価した.その結果,熟練者と初心者では同じ動作でも力の入れ方の違いに起因して筋電位信号に差が表れることが明らかになった. 最後に構築したデータベースを活用し,未経験者を被験者にしてメディアのみでの技能習得を検証した.4名の被験者にデータベースのみで模型製作を行わせた結果,データベースを活用しない場合と比較して半分程度の作業時間で完成させることが可能となり,本研究の手法の有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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