Research Abstract |
本研究(2010年度~2012年度)の目的は,1.携帯端末(特に,iPhoneおよびiPad)を利用した授業用学習環境の構築,2.携帯端末を利用した新しい教育方法の開発,3.学術的基盤のある携帯端末用学習アプリケーションの開発,である. 研究目的1について,2011年度の研究実施計画では,数学学習のためのウェブ環境を構築するとしていた.数式を用いた出題と解答が可能な,STACKシステムの構築は,予定通り行うことができた.もう一つ予定していた,MathMLを利用したウェブの構築は,あまり進めることができなかった.この原因の一つは,HTML5でのMath MLへの対応に,ブラウザによってかなりの違いがあるためである.当初の研究計画で述べた,携帯端末を活用したLMSである.C-Learningシステムの開発については,iPadへの対応を完了するなど,研究をかなり進めることができた. 研究目的2について,2011年度の研究実施計画では,2010年度から行っているさまざまな教育方法の開発を続けるとしていた.大学において多機能な携帯型端末を導入し教育に用いることによって,どのような効果があり,どのようなことに注意をすべきなのか,かなりの知見を重ねることができた.こうした知見については,教育改革ICT戦略大会でのパネルディスカッションや,『教育心理学年報』掲載の論文などで公表した. 研究目的3について,2011年度の研究実施計画では,iPhoneやiPadのアプリケーションを開発するための調査にとりかかるとしていた.どのような携帯端末を視野に入れ,どのような手段でアプリケーションを開発できるかについて,十分に理解することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した,1.携帯端末(特に,i Phoneおよびi Pad)を利用した授業用学習環境の構築,2.携帯端末を利用した新しい教育方法の開発,3.学術的基盤のある携帯端末用学習アプリケーションの開発,という3つの目的のうち,1および2については順調に進展している,3について,アプリケーション開発に着手はしているものの,「学術的基盤のある」アプリケーションの開発には至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の研究目的1および2については,今年度もこれまでどおりのペースでさらに研究を進める.目的3については,研究開始時(2010年度)の計画よりも研究が遅れていろ.この遅れは,研究方法の選択肢が急速に増えたことが原因である.研究開始時点では、学習に利用できる携帯端末はi phone以外にほとんどなく,学習アプリケーションを開発する手段はObjective-Cを利用する以外にほとんど選択肢がなかった.ここ数年で,i Padのようなタブレット端末や,アンドロイド端末が急速に普及した.HTML5など,Objective-C以外でのアプリケーション開発という選択肢も有力になった.こうした多様な選択肢から適切なものを選択して,今年度は携帯端末用学習アプリケーションあるいは学習システムの開発に着手する.昨年度に,数式を用いた出題と解答が可能な,STACKシステムの構築を行った.これを携帯端末から利用することも試みる.
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