2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子黒板を活用して学習者同士が学び合うデジタル教材の開発と指導方略の導出
Project/Area Number |
22500941
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中橋 雄 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (80389064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 浩介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (30367932)
中川 一史 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (80322113)
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Keywords | 教育工学 / 電子黒板 / 実践研究 / 教材開発 / 指導方略 / 協働教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、複数の学習者が思考を可視化・共有して学び合う、協調的な問題解決学習を支援する電子黒板用デジタル教材を開発し、それを用いた実践の指導方略を明らかにすることである。平成22年度は、電子黒板で学習者が学び合う活動が有効な学習場面・それに必要な教材を明らかにすることを目的として研究を進めてきた。 その一環として、当初は電子黒板の活用において実績をあげている英国の実践を視察する予定であったが、英国に関しては他の研究グループによる調査資料から状況を把握することができた。そこで、本研究グループは、フィンランド、ハワイ、韓国に訪問し、電子黒板を活用した授業実践を視察した。その結果、訪問したどの学校でも、電子黒板を特別な物として捉えるのではなく、教室の一部として自然に活用している状況がわかった。また、電子黒板の導入だけでなく、電子黒板で使用するデジタル教材の開発にも力をいれている状況が確認でき、参考になる資料を得ることができた。 しかし、視察した学校では、学習者同士が学び合う協調的な学習場面において積極的に電子黒板を活用する方法は確立されていないようであった。協調的な問題解決の学習には力を入れている学校ではあったが、電子黒板は、主に教師の説明を分りやすくする道具として利用されていた。つまり、本研究の最終的な成果は、諸外国に対しても提案性のあるものになると考えられる。 本年度は、以上の海外調査を踏まえた上で、研究協力者である現場教師が、協調的な問題解決の学習で電子黒板を活かす場面を検討してきた。具体的には、「解答方法が何通りもある問題を教えあい、学び合いながら解法アイデアを共有する算数の実践」や「社会的な文脈を踏まえグラフを読み解き、考えを共有する社会の実践」に電子黒板を活用することが計画され、次年度進める教材開発の準備を整えることができたといえる。
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Research Products
(5 results)