2011 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙科学教育のための、多次元宇宙科学データ閲覧・解析システム構築
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22500958
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
三浦 昭 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (40280557)
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Keywords | 教材情報システム / 宇宙科学 / 可視化 / 中等・高等教育 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、一般の利用者の利便性を高めつつ生の科学データを扱えるような、分析・解析ツールの開発を継続した。 近年、携帯型デバイスの台頭が著しく、簡易のデータ閲覧・解析環境を提供する上では無視しがたい勢力となっている。携帯型デバイスとWebベースのサービス環境とを比較検討した結果、iOS機器(及びiOSと同じ開発環境を有する最近のMac)やAndriod機器においては、アプリケーションの配布環境が整備されており、従来のパソコンと比べてアプリケーションのインストールに伴う障壁は相当低くなっている。この状況に鑑み、クライアント側にアプリケーションを提供し、そこでデータ表示や簡単な解析処理を実現し、高負荷の専門的処理はWebサーバ側で提供することとした。これにより、クライアント側、サーバ側でライブラリを共有することができ、開発の効率化が図れる。また、今後はPCも携帯型デバイスの操作性を取り入れる傾向にあり、携帯型デバイスの開発環境が提供するUIに倣うことで、利用者が容易にアプリケーションを習得できるようになると期待される。 サーバ側で提供する処理の一つとして、X線天文衛星の観測データから周期性を検出する処理を試行した。このような処理はクライアント側アプリケーション、特に携帯型デバイスでは負担が大きく、サーバ機での処理が必要となる。 科学データのダウンロード・表示にあたっては、データ通信サービスやWi-Fiの普及に伴い広範囲のユーザが見込めるようになった半面、無線ネットワーク経由ではダウンロードに要する時間が無視できない状況となった。そこでクライアント側アプリケーションでは、ダウンロード途中からデータを表示し、利用者に待ち時間を感じさせないよう、ライブラリの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パソコンを凌ぐ勢いで普及している携帯型デバイスを開発対象として考慮したことにより、当初の目的であった、初心者がGUIで容易にデータ解析を体験できること、ソフトのインストールやデータ取得を容易ならしめることが、一層現実的になったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ソフトウェアの開発を継続するとともに、科学データの整備を進める。 本課題申請当初は、携帯型デバイスはマイナーな存在であり、利用者の情報端末としてはPCを想定していたが、昨今の携帯型デバイスの急速な普及に伴い、想定する情報端末の軸足を携帯型デバイスに移しているところである。携帯型デバイスの互換性等は克服すべき課題として残っており、当面はiOS機器及びこれらと共通の開発環境を持つMacを主要なターゲットとする。
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