2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500963
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
中村 士 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (80107474)
|
Keywords | 科学史 / 天文学史 / 天文儀器 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、江戸時代の天文儀器の内、海外からの影響が強かった物を、全国にわたって系統的に調査することである。平成22年度に行なったオクタント(八分儀)とセキスタント(六分儀)の調査対象で一部再調査が必要な器物、平成22年度調査の過程で判明した、新たな所在を本年度は調査した。 2.調査箇所は、熊本市立博物館、福山市誠之館高校、新潟県柏崎市図書館である。写真撮影と寸法の計測、聞き取り調査および関連史料の調査を実施した。 3.平成22年度に主催した、第7回東洋天文学史国際会議(ICOA-7)の集録(英文)を編集し、出版した。 4.伊能忠敬が四国筋測量で使用した天文測器 忠敬が日本全国測量で使用した測器のうち、子午線儀は忠敬記念館にも現存しないが、その当時に製作された複製品が数年前発見された。これを調査し、広島県呉市に所蔵される現地の観測絵図記録と照合した。その結果、絵図に示された天文測量の場所と日時がほぼ明らかになった。その成果を日本科学史学会年会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究項目の内、江戸時代に輸入された蘭製高級象限儀のオランダにおける現地調査は、先方の研究者が転出したため、実行できなかった。その他の項目はおおむね実施済みか、平成24年度に実施予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
・平成24年度は、未調査のオクタント・セキスタントの調査を完了し、最終的報告書を作成出版する。 ・中国地方の測量で使用された伊能忠敬の象限儀・子午線儀に関して、結果を論文にまとめ、日本科学史学会誌に投稿する予定。 ・平成24年8月に中国北京で開催される国際天文学連合(IAU)の天文学史分科会で、天文儀器についてのWGを主催し、オクタント・セキスタントの調査研究に関して発表する。
|
Research Products
(4 results)